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高級スプーンあと何年の部屋


[145] 藍より青い群青の空、水面に揺れる朧の月(仮題)
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

ミナソコノアオニ ポツリ オボロヅキ

今際の際に流すエンドロールに使いたいな
眼前に広がる景色はどこまでも続く地平線と
藍より青く塗られた群青の空
放物線を描く七色の向こう側から光が射し込む
自然のステンドグラスだ

神々しさを感じて訪れる涙
自分にもこういう感情があったんだと
気付かせてくれる絶景に
どれだけ人生の旅を重ねようと度々は出逢えないが

同じ道を辿っていてもふとした時に見上げた夜空が
心に残っていたりする見慣れた景色のはずなのに
ネオン街から離れてもまだ白む都会の夜に浮かぶ月が儚い
それは自身の大切なバックグラウンド

心象に残る風景 一番奥の奥にあるのは夜を描いたレイヤー
深層に潜む背景 それはフェイク動画のような
湖のほとり 水面に揺れる朧の月 思い出は写し絵
良いように改竄されていたとしても誰も迷惑しないだろう?

昔に浸るのは夢を見るまで 過去の切り貼りは夢の中で
スクリーンに映し出される物語のピースはまだ足りないか
席に着くのはもう少しあとかな

朝の隨に 白昼も其処其処に 黄昏は徒然に 宴も酣に
今宵もひとり
帰り道に振り返るとそこには

The ephemeral Oboro moon, shimmering against the backdrop of the watery depths of my chest, bluer than indigo, dwells in the very core of my being.
(藍より青い胸の奥の水底を背景に揺蕩う儚い朧月が僕の根幹に宿っている)

2024/07/14 (Sun)

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