詩人:咲麻 | [投票][編集] |
突然やって来た眠れない夜を
どうやって過ごそうか
あまりにも突然
久し振り過ぎてわからない
「やあ、お久し振りだね」
なんて戯けてみたって
返事なんてしてくれないし
「それじゃあ、またね」なんて去ってはくれない
こんな夜
どうやって時間を潰してた?
何をして、寂しさを埋めてた?
何もしない
何も出来ない
為す術がない
頭の中で
誰かの声が谺する
色んな人の声が
それも引っ切り無しに
堅く目を瞑ろうか
両手で耳を塞ごうか
毛布に包まって
何かに掴まらない様に
隠れましょうか
心落ち着かせようと
吐き出した煙は目に染みた
大丈夫
涙は布に吸収されて
すぐに乾いてしまうから
あと少し、もう少し
鳥が鳴く
日が昇る
朝になる
外は雨、きっと晴れない。
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夢を見る
シングルのベッドで
君と二人
私は君の腕の中で
本を読む
君は私を腕に抱き
音楽を聴く
視線を上げると
目が合って
照れくさくなって
二人で笑う
君に頭を
撫でられて
心地よく
私はそこで眠ってしまう
現実の私も
深い眠りにつく
その先はない
いつだって
いつになったって
繰り返し
繰り返し
目が覚めれば一人
ベッドの上
繰り返し
繰り返し
いつだって私は
夢の結末を知っている
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眠っている君に頬に
そっとキスをした
涙が溢れて止まらないのは
悲しいからでも
幸せだからでも、ない
君が居て
その隣に私が居て
ただ涙が止まらない
それだけの事実
意味も
理由も
希望も
絶望も
何も、ない
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放課後
何もないのに集まる
くだらない事ばかりを話す
『いい加減帰りなさい』
先生に怒られて
笑いながら帰る
そんな日常
当たり前の日常
だけどもう
遠い日常
出会う事のない
そんな日常
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捨ててしまったら楽になった
大切に大切に抱き抱えていたもの
全部抱えていた
落とさないように
無くさないように
全てが大切に思えて
この腕に抱き締めていた
前も見えず
踏み外して落っこちた
全てを放り投げ
懸命に守ったものは自分
本当に大切なものなんかわからなくて
全部が大切に思えていた
大切なのは自分
守るべきは自分
自分さえ守れなきゃ
本当の大切なものなんて守れないから
強くなろう
強さなんて、わからないけど
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意味なんて、なくていい。
色づいた、
指先も。
唇も。
届かない、
言葉も。
メロディーも。
伝わらなくていい。
この気持ちに、
嘘さえなければ、
それでいい。
意味なんてなくていい。
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自分に自信なんてなくて
不安ばっかりで
それなのに…
「私は貴方の背中を追っています」
なんて
それが冗談でも
お世辞だとしても
ただすごく嬉しくて
気がつけば泣いてた
人目が気になって
背中丸めて歩いてた自分
それが酷く格好悪く思えたから
背筋伸ばして歩くよ
無理しない
自然なスピードで
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身につけていたものを全部脱ぎ捨てて
温かな雨に打たれよう
短く切ったばかりの髪から
ぽたぽたと冷えたしずくが滴り落ちる
洗い立ての下着を身に着けて
薄手のワンピースを一枚
まだ春は少し遠くて
火照った体にその風は心地良い
溜めていた映画
格好いいだけの主人公が泣いている
果汁100%のミックスジュースを飲みながら
煙草をくわえ火をつける
その煙が目にしみて
ほんの少し、泣けた
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戻れない道なら
進んで行こう
進む事に疲れたら
立ち止まればいい
消したい過去なんて
思い出話にも出来ない
それならばいっそ
捨ててしまえいい
諦める事が許されないなら
夢見る事すらきっと許されなくなってしまうから
限界までなんて走れない
限界なんてないから
思うがままに
歩いて行こうと決めたんだ
人生に正解の答なんてないって
誰かが歌っていたように
不正解の答だってないはずだから
大丈夫
大丈夫です
ふらふら歩くの好きなんです
辿り着いた場所が
目的地になるんです
今はきっと
それでいいんだって
そう誰も歌わなくても
自分でその唄を歌います
作ります