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咲麻の部屋


[5] 変わらない優しさと
詩人:咲麻 [投票][得票][編集]

寒い寒い夕暮れ時
おかえりを告げるチャイムの音

ぐだぐだの宿題
お腹を空かせながら見るアニメの放送

だんだんと近付いて来る車の音
あの独特のスピーカーの声

せがみもらった500円玉を握り締める
まだ小さな手のひら
ブカブカのサンダルを履いて走る

にっこりと微笑み
「オマケだよ」
と、嗄れた声

「ありがとう!!」なんて
遠慮を知らないあの頃の



駆け出す事のないハイヒール
母にせがむ事も無く取り出した財布

上品に強情に
いつの間にか身に付いた遠慮の仕方



「オマケだよ」
微笑みも変わらず嗄れたあの声

「ありがとう」なんて
懐かしくて照れ臭い
小さな声で


世間はまだ
あの頃のままに

2007/12/16 (Sun)

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