詩人:亜子 | [投票][編集] |
私たちはいつも
部屋の隅であっています。
公園のベンチであっています。
満員電車の揺れのうえであっています。
ディスプレイの文字列であっています。
桜の花のまわりであっています。
川の流れの音の中であっています。
一本道に寂しげな目はまようけれど
姿をとらえられない手は虚しさを握るけれど
あなたが私を想いだしてくれた時
時間のブロックをひっくり返して
私の輪郭はできあがり形は息を吹き返し
私たちはどこででもであえています。
そしてあなたのおかげで私も想いだせるのです。
私たちは、たった一つから生まれた
ただ一つあることを。