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亜子の部屋


[16] 日向雨
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短いトンネルをぬけた先
晴れた空からこぼれた雨
ふとうつむいた君の
うなじに一粒がくっついて
匂いたった未練

重力のきれた
綿毛となった君は
すぎる景色を一本の風にして
葉擦れのような笑いをくりかえした

想う道を絶って
想う心をのこしたまま
君はそこで
ああ 泣いていたんだね

向日葵の一途さばかりが抜け道と
あの場所から手をひいてきたのは僕の言葉たち
雲になりはてた今
飛沫は僕にかえりきて
染みとなり
染みと残れ

そうして君と
すきとおる日向雨の
遠く虹をさがそう




2006/08/09 (Wed)

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