詩人:No-Name Doll | [投票][編集] |
しんと静まり返る街…
今宵は聖夜
私は窓から家を覗く
寄り添う家族…恋人…
私は一人
孤独な聖夜
体に刺さるように冷たい雪が降る
寒い寒い雪が降る
孤独−…
でもいい
孤独にもなれた
聖夜は一人廃教会に忍び込んで祈りを捧げるの
『貴方と巡り会えますように』
ってね
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闇の中
私は深く深呼吸する
何も見えない
冷たい闇は
私の吐息さえ
凍らせてしまう
そんな気がして
怖かった
誰か
誰か
私を闇から救って
私を此処から出して
いつも叫ぶけど
全ては闇にかき消されて
虚しく木霊するだけ
もう足枷は
首輪は
嫌だ…
誰か私を見つけて
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私の全て
貴方にあげる
だから
私を貴方の一部に
貴方の餌に
口移しの餌を
喰らえばもう戻れない
禁断の果実を
死と云う夢の晩餐
生と云う絶望のデザート
その全てを
貴方にあげる
だから
早く早く
私を喰らって
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私の可愛いお人形
貴方は私の操り人形
一人では動く事も
話す事も不可能
貴方は私に支配される
その瞳
私だけを見つめる
その口
私だけに甘い言葉を吐く
その腕
私だけを抱き締める
操り人形は私だけを愛する…私だけを見る…
私だけを…
冷たい凍えそうな瞳で
感情の無い言葉で
ぬくもりを感じない腕で
私は貴方を操ります
二度と離れられぬよう
私にその糸を
繋いで…
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鳥籠の外
貴方は現れた
私は何も出来ない
何も感じない
存在価値もない
お人形だ…
でも貴方は
鳥籠の鍵を開けて
私の手を強く引いて
私を外に出してくれた
初めて見る外
何もかもが怖くて
怯える私を貴方は優しく抱きしめてくれた
この時貴方と契約を交わした
私は貴方に一生ついていくと…ずっとずっと離れないと
だから
側にいますよ?…
ずっと、ずっとね…
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心が壊れる前に
自身を代償とす
月夜に光る刃が
赤に染まる
血を見、安堵する
痛みを感じ、安定する
でも、貴方は気付いてない
傷は癒えないという事を
更に深く刻まれるという事を
またその頬が
雫に濡れるとき
再び刃が朱に染まる
何度も何度も
心が壊れない為に
自分の躯を代償にして
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貴方の腕が私を抱き留める
貴方は私を見つめて
ただ優しく笑んで
私を抱き締めてくれる
そんな優しい貴方が
誰よりも好き−…
貴方の手が私の首をきつく絞める
貴方の瞳が冷たく私を見据える
意識途切れるまで私を苦しめる
そんな狂おしい貴方が
誰よりも好き−…
さぁ…今宵の貴方はどちらの貴方?
私は変わらず貴方を受け入れる…
貴方の優しさも
貴方の狂気も
全部全部
私だけの物だから−…
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偽りと真実
違うようだけど似た言葉
偽りの中に真実はあり
真実の中に偽りがある
仮面を被ろう
偽りの仮面を
たとえそれが「偽り」の仮面だとしても
永遠の「偽り」は「真実」になる
偽りの仮面も
真実の仮面になるのだから−…