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最後まではずせなかった
白のカーテンにくるまって
振り返った君に
またすべてを奪われた
何度も胸に鍵をかけたのに
何度も君に心ぬりかえられる
ベールをめくって愛を誓うのが
僕じゃないのなら
その安っぽいレースでいい
それでいいから
小窓からはぎとって
そのまま連れていきたい
連れていきたい
この部屋に永遠はない
君と何度もぬりかえた壁の色
きっと真っ白に染められていく
鐘が鳴ったよ
さぁ汚れたベールを脱いで
扉を閉じたら鍵をかけて
悲しい涙をすくうふりをして
誰にも見えないように
今お別れのキスを
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恋が始まれば
胸の真ん中を
きゅっと掴まれて
そのまま優しく締めつけられるような感覚で
恋が終われば
胸の真ん中を
一瞬ぎゅっと掴まれて
パッと突き放されたような感覚になる
結局どちらも苦しいのだけど
それでも人はまた
恋を選ぶ
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君がそんな
ほころぶように笑うから
僕の胸の花は
一瞬で満開に咲いた
大切に育ててきたから
すごくきれいなんだ
切なさも愛しさも知ってる花だから
こんなにも色づいたんだ
このあふれそうな花束
今君に届けに行くから
どうかどうか
受け取ってくれますように
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信号待ちで見上げた
青空はどこまでも高くて
縦に伸びてるのか横に広がってるのかわからない雲が
遠い所で流れていく
気持ちがよくて
このまま吸い込んでもらえないかなと
目をつぶった瞬間
立ち止まるなと言ってるみたいに青にかわった
もうずっと
空に向かって
明日を夢見ること忘れていたから
手をかざしてみたら
涙が止まらない
流されないよう潰されないよう
もっと強く
強くなると無邪気に誓った幼い頃の自分に笑ってあげられるよう
あの時見上げた空はもうないけど上を目指す勇気取り戻そう
恐れずに真っ直ぐにひるまずに顔を上げて
信号が赤にかわる前に
キラキラと
空へ駆けだそう
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気づいちゃったんだ
彼から君への秘密のサイン
きっと
好きだとか愛してるとか
くだらない意味なんだろうけど
気にくわないんだ
だからそんな時は
遮って
ねぇねぇって笑いかけて
僕を見てアピール
それでもこの声は
いつだって届かないのだけど
彼のピースが僕を後ろから貫いて確実に君へと届くんだ
だってほら
君は見たこともない顔で笑ってる
こっそり左手で
君が作ったピースが
今度は前から僕を貫いて穴を広げる
いつだって
彼と君の間に
僕は存在しない
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きっとすれ違っていたわけじゃなくて
最初から合わないピースの2人だったんだ
どうにかしてつながって
はずれかけたら無理矢理はめ込んで
焦って手をつないで
必死で取り繕ってできてた僕らは
あまりにも滑稽な形の
ハートのパズル
きっと終わってしまったわけじゃなくて
最初から何も始まっていなかった2人だった
それでも僕は
いまさら
本物になることを夢見てしまっていたから
はまらないピースを手放すことができなくて
君はぴったり合うピースを探したくて
いつまでたってもパズルは完成しない
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受け入れていたはずの
痛みや悲しみが
突然溢れ抑えきれなくなって
声を殺して泣いた
孤独のトンネルの
その先の光なんて
探すことさえあきらめていて
歩き続ける覚悟はとっくにできていたはずなのに
立ち上がれない
だけど君が叫んでくれたんだ
暗闇のその向こう側から
「がんばれ」じゃなくて
「一緒に乗り越えよう」と
その声頼りに
走りだし
くぐりぬければ
暖かい陽射しの中
待っていてくれた君が
そっと抱き締めてくれた
目の前でぬりかえられていく景色の中
繋いだ優しい手は同時に
力強く
どんな頑なな憂鬱だって顔を背け道をあけてくれる気がしたんだ
光のアーチを2人でくぐり
涙拭って
今ここからまた歩き始める
ありがとう
君の隣なら
恐れるものはきっと
何もない
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秋の風は
冷たく通りすぎるけど
時に優しく顔を撫でるから
まるで君みたいで
苦しくてしかたないんだ
それでも
夏を惜しむふりして窓を開け
そっと目を閉じ
今日も君を待つ
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あなたが送る
ことばのシグナル
警告のように
胸の中でチカチカ
近づいて離されて
惑わされる
苦しくなる
クルクルまわる
あなたの声が
あなたの顔が
チラチラ横切る
こちらに飛ばしてと
私はもっと
ほしくなる
ほしくなる
ことばのシグナル
愛の合図
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あの日についたキズが
呪いのように離れない
痕なんていくらでも残っていいから
この痛みをどこかに連れてって
ただただ前へこの道を
歩いて行きたい
走り出したい
だからそんなに
ひっぱらないで
邪魔しないで
そうしてベッドにもぐりこむ毎日だったけど
置いていけるかは結局
自分次第
振り払えるかも結局
自分次第
踏み出せ
踏み出せ
その一歩を
毛布を払いのけたら
自分で自分のネジを巻け
戦ってついたキズは
きっと痛くない