天の川蛍の浮遊 情景嵐のような蝉時雨読みかけて閉じた本金魚の絵葉書朽ちた紫陽花削った氷に赤いシロップけむる夏草稲光夕立が土をたたく音まだ何もかもを置いたまま夏が行ってしまう私の影だけ残したまま夏が行ってしまう駆け出すこともできないまま入道雲が消えていく
[前頁] [シンラの部屋] [次頁]