詩人:村和緒 | [投票][編集] |
甥っ子が磁石を持って来て
俺にどくように言う
甥っ子のおめがねに叶わない
行為が目立つとまずいので
義姉を呼んで来て
甥っ子の心をやわらげる
必ず怒る義姉が言うには
せこいタイミングは
口の中で発生するので
外に漏れるのもそのせいなのだから
甥っ子に従わなくてはならない
和歌が無くても
口中に目いっぱい食べ物を詰め込んでも
どうしても義姉を怒らせるわけにはいかなかった
タンギー爺さんが上から下がって来て「やあ」と言う
スワヒリ語をしゃべって居る様なタンギー爺さんは
義姉とはグルで
摘果実験でもパートナーで
二人が出て来るタイミングはいつも不思議で
そんな意味でも義姉が怒る訳はないのだが
野心を持った帰りには
どうしても現れる国事御用係の様な
タンギー爺さんは貴重だった
甥っ子もおこらせたくないし義姉も怒らせたくないので
前方を飛び出して来る猫に
それをやらせようと思って
うちにこもった
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プリンの載ったケーキを食べる
クッキーの様な土台の中にも
フルーツがあってそれは少し余分だと思う
母はモンブランを
父はショートケーキを
姉は答えてくれないながらチョコレートケーキを食べたのだと思う
父は必ず誕生日のケーキを4個買って来る
4人家族なのだから当然の様だが
少し違う
姉と母の誕生日だと5個買って来て
誕生日の主は
2個食べられるからだ
何故私の誕生日の時だけ1個しか食べられないのか
神に聞くと
私の名前が「〜〜〜一」だからだそうだ。
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袋ごと割って焼芋を渡して居る私は
やぶけそうな静かな午後を野水仙を見ながら過ごして居る
これから売る仔牛の名を決めかねて居ると春の雨が降って来た
ゆっくりと曲がる電車を見て居ると冬木立が屹立して居るのに今さらの様に気付く
電車に乗れば優先席には誰も居ない、さみしい。
もう少したっていなさいと自分に言い聞かせて居ると車窓から
雪だるまが置いてあるのが見えて来た。
*以下6句を元に詩作しました。
袋ごと割って焼芋渡しけり 風の鳥
やぶけそうな静かな午後です野水仙 伏兎
売る仔牛名を決めかねる春の雨 大塚正路
ゆっくりと曲がる電車や冬木立 草紅葉
誰も居ぬ優先席の寒さかな 岡本ニャオカ
もう少し立っていなさい雪達磨 清水ケンジ
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乗り降りする人も居ないのに扉が開くと
寒いなあと思うが電車を降りると
私は行列のしんがりに居る十二月は
師走とも言うし十二月の後に再び一月に戻るから
月の数字が極まる(ラストナンバー)だから極月とも言う
福耳でいらっしゃる野仏様の周囲には赤のまま(犬蓼)が生えて
居るのを見ながら帰って来ると
家では乳房程の張りがある卵の黄身を使って
卵御飯を作って食べた。寒卵は健康にいいそうだ
再び外へ出ると路地販売で冬菜が売って居る
冬菜の青さが空の青さも覆って居る様だ
以下5句を参考に詩作しました。
乗り降りのなきドア開く寒さかな 水戸吐玉
行列のしんがりに居る十二月 くんせい
福耳におはす野仏赤のまま わらび
乳房ほどの張りある黄身や寒卵 恥芽
冬菜売り空の青さも包みをり 綾
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夕凪に油樽つむあつさかな 高井 几董(たかいきとう)
海辺での現象だ
ゆうなぎと言うのは
海風と陸風の入れ替わる時に無風状態になって居る
あぶらだるをつむという労働で
うだるようなあつさだ
夕凪や行水時の裏通り 青木月斗(あおきげっと)
ゆうなぎで
無風だった
庭で盥を出して
湯を張って行水して居ると
裏通りが気になってしょうがない
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「見ず見ず」と春の嵐は
たった一回の禁を破っただけでも容赦なく降り注ぐ
ここはエロ本の館で私は17時までには
元の本屋に戻らなくてはと思いながらも
控えめに16時40分頃には戻り始める
きょとんした迎えに来て待っていた人をトイレまでつけ回す
奥さんにあたる人と合流してその人はエスカレーターで
下へと行くと私も百貨店の下へ降りて
ドーナツ屋で合流する
私はチョコファッションとチョコレートの2個を選択して
家で食べたのだった
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焼肉屋の待合室でももの付け根が痛くなると
尻が上下して長椅子のマットを揺らし始めた
現実的に事前予約が無ければ
焼肉にあり付く事は難しい
三時間近く待たされた?(待って居た)
挙句の招待席に
私はおしぼりの受け取りを拒否し
かろうじてスポーツクラブの交流会と
紙飛行機作りのつどいだけはポストに
確保して何とか焼肉を食べる
体裁を整えたのであった
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百貨店のエスカレーターを上がると
私の右手から金華山が踊り出し
七年前にワープして居る
本屋にたどり着き
立ち読みをしていると
隣の靴屋では商品の陳列や客の応対に忙しい
私は帰りの歩行で
音が発生する直前に
あくびばかりしていた
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恋は宇宙的な活力であった大昔に
祈祷師の殺害に
電話番号が歪んで来る
何度も足を運ぶと
夕刊が萎(しな)びる
足元は鳥のフンで汚されている
駅近くの銀行は
電番号が歪(ゆが)んで居る
あの日、三好町青山での
マグナムの発射に躊躇(ちゅうちょ)無(な)き
戦士が雪を降らせた
二年後の祈祷師(きとうし)の殺害に
大晦日の前日に雪を降らせた
小刻みに私の左足の脛(すね)が汚染されてゆく
小刻みに痛い拗(す)ねて来る精神に
「恋は宇宙的な活力である」と囁(ささや)く
((2013/06/28(Fri) 02:38:24) 即興ゴルコンダ(仮)「ぎわら」名にて投稿せしもの)
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大根の葉が入って居る味噌汁に失望する
絹ごしの豆腐では無くて湯葉豆腐であるのに感動する
インクの残量が僅かとの警告があるも
普通に印刷できる日々が長く続き
永久に無くならない物ではないかと錯覚する
岸新聞店の名を告げて丹羽外科で健康診断を受けた
会社名を告げるとすんなりとやってもらえて
行列を横抜かしした様な気がした
健康診断では採血を三本取った
三本目で管に入る血液に勢いが無く少し不安になった