詩人:村和緒 | [投票][編集] |
ゴリラは何か手続きをするたびに
失投乱闘を繰り返し
大型車の中で居酒屋を開いたり
小学生をもてなすのに疲れた
そこでゴリラは息子のゾーンに
二輪車をプレゼントすると
捜さないで下さいと言う書き置きを残して
失踪して仕舞った
ゴリラが失踪してから町も相変わらず変わり映えしないが
一つだけ変わった事がある
それはこの町が初めて全国イルミネーションコンクールで
一等賞を取って全国にその名をとどろかせた事だ
いやあゴリラさんのおかげですよと寺の住職は
大喜びで喜びの詩を弟子達に言わせては
喜びを皆に触れて回った
と言うのは何を隠そうこの町のイルミネーションを
開発したのは誰あろうゴリラだからであった
企画設計製造設置全ての工程にゴリラが必ず
直接陣頭指揮は言うに及ばず自ら図面を引き
企画書を立案し製造ラインの職工教育を
自らやったまさにゴリラのイルミネーションだったのである
その後ゴリラはこのうわさを聞きつけて
とんでも無い所から帰って来るのであるが
それはまた別の話である