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村和緒の部屋


[11] イルミネーション
詩人:村和緒 [投票][編集]

ゴリラは何か手続きをするたびに
失投乱闘を繰り返し
大型車の中で居酒屋を開いたり
小学生をもてなすのに疲れた

そこでゴリラは息子のゾーンに
二輪車をプレゼントすると
捜さないで下さいと言う書き置きを残して
失踪して仕舞った

ゴリラが失踪してから町も相変わらず変わり映えしないが
一つだけ変わった事がある

それはこの町が初めて全国イルミネーションコンクールで
一等賞を取って全国にその名をとどろかせた事だ

いやあゴリラさんのおかげですよと寺の住職は
大喜びで喜びの詩を弟子達に言わせては
喜びを皆に触れて回った

と言うのは何を隠そうこの町のイルミネーションを
開発したのは誰あろうゴリラだからであった
企画設計製造設置全ての工程にゴリラが必ず
直接陣頭指揮は言うに及ばず自ら図面を引き
企画書を立案し製造ラインの職工教育を
自らやったまさにゴリラのイルミネーションだったのである

その後ゴリラはこのうわさを聞きつけて
とんでも無い所から帰って来るのであるが
それはまた別の話である

2010/02/18 (Thu)

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