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くじらの部屋  〜 新着順表示 〜


[5] cloud castle
詩人:くじら [投票][編集]




光を吸い込んだ真っ白な雲

その内側に黄金色を膨らませる



音もなく広がる夜明け
一日の始まりに
込めた願い




温かい碧空は

まだ鳴り止まない
冷気を運ぶ風に一時
落ち着きを取り戻させる


束の間の「春」



一色の目映さと美しさを知る


時間が
浮かぶ白い雲に
命を与えたみたいに

膨らんだり引き伸ばしたり
ちぎれたり


空というキャンバスに
白一色でデッサンしてゆく


光の隙間に並べられた影も
またひとつのアートのよう




僕の心もあんな風に
自在にカタチを変えてゆけたなら


もっと自由に自分を
表現していけるのに



まだ迷ってる?


黒く広い宇宙に浮かぶ
蒼く小さな粒の中で



辿りつく場所は決まってるのに


行き先は決めたはずなのに




自然の猛威は
まだ僕らの前に
腕組みをして立ちはだかるけど


穏やかな日がいつか訪れると



刻み込まれた記憶を頼りに


信じていられるから
信じ続けてゆけるから





高速で回転する
この地球という球体から
振り落とされずに


安心して
立っていられるのかもしれない





ちれぢれになった
あの雲を眺めて


この心を投影している



またくっついて
ひとつの大きなカタマリになって


未来と繋がった空を
膨らんでずっと遠くまで



夢と希望を
柔らかな風に織り込んで



飛行機雲みたいに
まっすぐに正直に






僕ら手を繋いで







泳いでゆく





2013/02/04 (Mon)

[4] space
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平べったい憂鬱と今日の残り

ポケットには潰す時間と退屈

空に浮かぶ弓張り月は
雲のベッドで眠りにつき

うわの空を泳ぐ僕は
冷たい風でその目を覚ます

尖った「臆病」が
血液に混ざって
僕の身体をかけ巡り

チクチク痛む心が赤く腫れる


我慢して笑ったぶん
ため息で帳尻合わせ


誰かの優しさも
上手く受け取れなかった


なんとなく落ち込んで過ごす

たいした悩みも持ってないのに


いつまで続くのかな?


今日がこんなだから
笑って過ごす明日なんて
とても想像なんかできなくて

ボリュームを上げても
雑音にかき消されてく

それでも懲りずに
同じ唄を何度も口ずさむ


世界の表と裏では
喜びと哀しみのスパイラル
上昇気流と下降気流に乗って
新しい悩みの種がばら蒔かれる


世界の余白に


ちゃんと循環してるのかな?
僕らの幸せは


希望の成れの果ての
「諦め」が地に膝をつく


でも何かをまだ期待している



そんな今日と明日の狭間で
昨日の続きの夢を見てる




言いたいことも
伝えたいことも

味のなくなったガムみたいに
いつまでも口の中に残ったまま


ポッカリ空いた僕の心に
ピッタリはまる君の存在


足りないものはわかってる
それが埋まる心地よさも


蒔かれた種を僕は育てている

心の隙間に


「悩み」の花を咲かせよう
色とりどりの難問題

空白よりはずっといいから

悩んで解決して
見つけてゆく次の景色

次のステップへ

悪あがきでもいい

この狭間から
ドロップアウトして
君の空白を埋める存在に


僕はなりたい

2013/02/02 (Sat)

[3] voice
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小さな希望を手のひらに乗せて
その背景の不条理と
ピントを合わせる

緑道を横切る子供たちの声
その先に投げ出された「さじ」

いつからだろう?

諦める事に抵抗しなくなったのは

信じるものがまたひとつ
藪の中へ消えてゆきました

それでもいつものように
太陽を背にして

薄く伸びた影の先を
追いかけながら

「感情」というカタマリを
なるべく音を立てずに
転がしています

波風を立てないように
想いを悟られないように

それが最善の選択かどうかも
わからないまま

あの頃の怒りや憎しみは
軌道をそれて消えていったけれど

あなたの事を僕はもう
許しているのでしょうか

湿った雲が頭上を流れてゆきました

あなたの空は何色ですか?

冷たいコンクリートで造られた
灰色の街並みを見下ろして
優しく灯る幸せの光を数える

あなたの声がまだ聞こえていた頃

僕はあなたらしく
あなたは僕らしく

互いの成長を信じてきたけれど

守るべき嘘を諦めた時から
僕らの行く末を
見据えていたのかもしれません

今は痛みを覚えることばかり
得意になってしまったけれど

時間通りにやってくる
「不安」を必死に飛び越えて
安心にしがみつく事が
精一杯の日々で

かろうじて転ばず過ごしています

目に見えない真実まで
知る強さは必要でしょうか?

愛に成り損ねた「未練」が
あなたの名前を呟く

僕はこの先いったい
どれほどの愛を

与えられるのでしょうか
許せるのでしょうか

このまま
ここに留まってはいけないと
心の声が聞こえる

安らぐ場所へ 声が導く方へ

進まなければ
走り続けなければ

春は
まだまだ遠いけれど

2013/02/01 (Fri)

[2] precious stone
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優しい空がこの手に触れて
柔らかな暖かな
風の匂いと君の声


どれくらい流れた?
あの日の大好きな時間が


幼き理由を捨てて
大人になった君の心は

無邪気さ純粋さ
丸めて紙くずみたいに

見上げた空に飛行機雲
2つ並んで仲良しみたい

「あんな風になれたらね」って
2人いつかの仲良しみたい

失なった日は曇り空
言い訳さがして
見つけたひとりぼっち


乾いた音が遠くで響く
涙で潤う夕焼け空に

帰り道
やっぱりこっちがいいって
左手繋ぎ直して仲直り


ごめんねって笑って
ありがとうって涙した


探しあてた境界線も
君となら曖昧なままでいい
ぼやけた方が
キラキラ輝く


足元で転がした石ころ
何月生まれ?

僕はムーンストーン
君にはトパーズを

唯一無二の輝きを


なんてありきたりかな?


歯を食いしばって
立ち向かっても
向かい風は百獣の王

挫けそうで悲しくなる


いっそ言葉になって風に乗って
メロディに溶けて流されよう


逢えない日は 逢いたい日は

そんな妄想繰り返し
いつの間にか夢の中

こんな単調な毎日が
「幸せ」のひととき


色褪せても焦らないのは

その「毎日」が続くから
「続く」を疑わないから
「疑う」はキリがないから

「信じてる」


それでいい


それがいい


アメジストもサファイアも
ガーネットもエメラルドも
みんなそれぞれに
憧れが産んだ存在で


そんな石みたいに
強い意思を持って
生きることに憧れて


今日もこの優しい空に




手をかざして




願っている





2013/01/30 (Wed)

[1] starting over
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冬を主張する白銀が
「今日まで」を埋め尽くす

失敗や後悔をすべて
リセットするみたいに
覆い隠してゆく


隠し事はいけないけれど
嘘を作り上げるよりは
ずっと優しくて


そう思えるのはきっと
大切なことを
大切に隠そうとする配慮


誰かを傷つけないために



僕はフカフカの安心の上で
時間に引き伸ばされてく空を

ただじっと眺めながら
昨日の言い訳を
消化している


次はなにを叫ぶ?


水色の鏡が
空の色を真似ようとする頃

静かな午後を転がる時間が
「自由」という雲を形作る

野良猫はあくびをしながら
僕らに平和のサインを送り

安心とくっついた退屈が
その寿命を延ばす



何もないから何かを探す


フリをしている



退屈しのぎに




そんな平坦な毎日


手にするのは
目に見えるものだけ



まだ我慢してる?




彫刻みたいに

不必要なものだけを
削ぎ落としたつもりで



足元に転がったのは
「決意」


隠していた弱さを知った


それを認められない自分も


ただ社会に反射しながら
今を生きている



僕は彫刻のかたまりから
「錯誤」を削り取った


隠し事はもう必要ない



今の僕には




「安心」が融けてしまう前に




足元に散らばった
「決意」を拾い集め

両手でしっかりと固める



指の隙間から
こぼれ落ちないように




僕はもう一度
深呼吸をして



スタートラインに立った





2013/01/31 (Thu)
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