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くじらの部屋


[1] starting over
詩人:くじら [投票][編集]

冬を主張する白銀が
「今日まで」を埋め尽くす

失敗や後悔をすべて
リセットするみたいに
覆い隠してゆく


隠し事はいけないけれど
嘘を作り上げるよりは
ずっと優しくて


そう思えるのはきっと
大切なことを
大切に隠そうとする配慮


誰かを傷つけないために



僕はフカフカの安心の上で
時間に引き伸ばされてく空を

ただじっと眺めながら
昨日の言い訳を
消化している


次はなにを叫ぶ?


水色の鏡が
空の色を真似ようとする頃

静かな午後を転がる時間が
「自由」という雲を形作る

野良猫はあくびをしながら
僕らに平和のサインを送り

安心とくっついた退屈が
その寿命を延ばす



何もないから何かを探す


フリをしている



退屈しのぎに




そんな平坦な毎日


手にするのは
目に見えるものだけ



まだ我慢してる?




彫刻みたいに

不必要なものだけを
削ぎ落としたつもりで



足元に転がったのは
「決意」


隠していた弱さを知った


それを認められない自分も


ただ社会に反射しながら
今を生きている



僕は彫刻のかたまりから
「錯誤」を削り取った


隠し事はもう必要ない



今の僕には




「安心」が融けてしまう前に




足元に散らばった
「決意」を拾い集め

両手でしっかりと固める



指の隙間から
こぼれ落ちないように




僕はもう一度
深呼吸をして



スタートラインに立った





2013/01/31 (Thu)

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