詩人:くじら | [投票][編集] |
地平線の彼方に闇が消えてゆく
僕らの夜明けに
薄紫色の明日を連れてくる
未来という巨大な空に
時間という静かな風が流れ
不鮮明だった輪郭を現す
僕はまだ
昨日の月の裏側を歩きながら
足元を照らす
光の先を探してる
まだ覚えてる? あの約束
夕日と寄り道して歩いた
手を握り誓ったあの丘で
僕が最後に使った勇気
今でもこの胸に聞こえる
「不安」という契約書は
破り捨てたはずなのに
「変わらない」日常と
「変わりたい」自分と
わかってる
僕自身が変わらなければ
目の前の景色も
色褪せた水彩画
もう色は加えられない
道端で命を枯らした
名前も知らない花が
教えてくれた
儚さと力強さが
弱い心に染みる
正しさって?
使い方を忘れた「勇気」を
僕は今も握りしめたまま
出逢うには広すぎる
この空を見上げている
不安と恐れに
未知が襲いかかり
僕は後込みしてしまう
情けない自分
あの頃のようには
笑えなくなったけど
あの花のようには
咲けなくなったけど
精一杯強がって見せる
未来と繋がる音のする方へ
僕らは手探りで歩いてる
まだ僅かに残っている
この勇気を振り絞りながら
「変わる」ために
「変える」ために