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ある雨の日。
いっぱい雨が降っていた。
ふと、いつも見掛ける白い猫を思い出した。
会った時は足に擦り寄ってきて、甘い声で鳴くあの子。
(お腹がすいてるのかなぁ)
痩せた体に首輪もない。
その猫が野良猫であることはすぐに分かった。
きっと寂しくってひもじくって私に甘えてるんだってことも。
でも私にはどうしてあげることもできなかった。
家で猫を飼うことは禁止されているし、管理人が団地に猫が居つくことを嫌って餌もあげちゃいけない。
ごめんね。
私は自分可愛さにこの子に何もできないでいる。
「そんなの当たり前だよ」
「規則なら仕方ないでしょ」
「信じられない!せめて餌くらいあげれば良いのに可哀想!」
きっと色んな事を思う人がいることもわかってる。
雨が降る時どうしてるんだろう?
そう思ったら、階段の下で雨を凌ぎ、その子はまだここにいた。
どうか、この子の居場所を奪わないで。
身勝手な私の一つの願い。
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もしも僕に魔法が使えたら
君をここから逃がしてあげる
でも君は僕の想いを知らない
僕はいつも笑っていて、それでもいつも泣いている
いっそ、消えることが出来れば楽なのかもしれない
僕は透明になり、それに誰も気付かない
嗚呼…
君が僕を思って一粒でも泪を流してくれたならば…
僕はそれだけで生まれてきたことに感謝できるのに
好きだ
愛してる
言葉にしようとしてもそんな陳腐なものにしかならないけれど
僕の気持ちはそんな言葉じゃすまない
僕が空気の一部になって君に吸い込まれたなら
一瞬でも君の生きることの糧になれたなら
すぐに吐き出されたとしても
それでも良いと思えるだろう
気付かれなくてもそれでいい
魔法使いになりたい
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誰か一人でも僕の存在に気付いてはくれないだろうか?
僕は僕として、ずっとここにいるのにまるで透明人間のよう。
誰にも僕が見えないかのようだ。
僕は否定された人間だから、君に想いを伝えることすらできないよ。
君のことが好きで好きで好きで好きでたまらないのに、それはこの口から発せられることはない。
もし、僕が僕の気持ちを君に伝えたら君はどんな顔をするだろう?
否定?
蔑み?
それとも理解できないと全てを拒絶する?
この気持ちは紛れもない本当の気持ち。
もし君と愛し合えるなら、僕は君に優しくキスをしよう。
何も心配ないと、君を包み込む。
絶対に君を傷つけることがないように、君の盾になる。
しかし、君に選ばれる確率は二分の一ですらない。
それこそ幻かもしれない。
泣いても叫んでも、僕は選定される立場にしかないのだ。
僕はまた、奥に押し込められ、出てこないように頑丈に蓋をされる。
身動きもできず、僕はずっと君の夢ばかりを見る。
僕はエゴの固まり。
誰をのことをも傷つけることしかできないのかもしれない。
君を守りたいだけなのに…
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「アンタの事なんて好きになるんやなかった!」
貴方はそう言って精一杯の力をこめて両手を私の胸につきました。
「ごめんね…」
傷つけたのは私のはずなのに、何故か私の目から一筋の涙が流れました。
「ずっと一緒やってゆうてたんは嘘やったんやね」
震える声。
下唇を噛み締めるのは、貴方が涙を堪えるサイン。
貴方は弱さを見せるのが大嫌いだから、私がこれ以上何を言ったとしても貴方のプライドを打ち砕くことしかできません。
本当に好きだった…
本当は今でも大好き…
その言葉は貴方を想うなら言ってはならないんです。
背伸びをして貴方に顔を近付けると、貴方の吐息が私に甘くかかりました。
貴方の首に手を回しそっと貴方の唇に私の唇を重ねました。
「さようなら」
か細くしか出なかった私の声。
貴方には聞こえましたか?
後ろは振り返ってはいけない。
もう2度と貴方と会ってはいけないのです。
私が貴方を想う気持ちを伝えてしまったことが、貴方を傷つけることの始まりになるなんて思いもしなかった。
「アホ…」
小さく貴方の声が背中から聞こえました
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人間は強くある必要はない―――そう思った。
何故なら絆があるのだから。
無理に1人でいる必要はないのだとそう気付いた。
―貴方は決して弱くない
私は決して強くない―お互いを繋ぎ合わせれば、それは限りなく自然なものになる。
どうして私は孤独を望んだんだろう?
寂しさを恥ずかしい事と思ってしまったんだろう。
貴方の傍らに片時も離れずいること。
自分の身を全て貴方に委ね、貴方に束縛される続けることを欲する。
人間は誰しも、弱いから、それを理由に蔑まれるいわれは何1つ必要はない…
そう思った。
何故なら心があるのだから。
貴方がいるのだから…
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ハイヒールの靴 蹴り投げて
明日の天気占ったとしても結果はいつも横向きに倒れるだけで
これって曇り?
曖昧なんだよ
天気の結果も この靴履く私も…
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夏の匂いを感じる。
自分が夏休みという独特の時間から離れてどれ程の時が過ぎたのだろう。
小学生の時、夏休みはとても楽しくて毎日が冒険の連続だった。
退屈の言葉の意味も知らなかったあの日。
それが少しずつ形を変え、今の味気ない生活になってしまった。
夏休みもない、季節感も感じられない仕事に就いたことにそれ程後悔を抱いているわけではないが、時々昔の自分に懐かしさと羨ましさを感じる。
昔は何故あんなにも無邪気に人と接することが出来たんだろう?
汗をかきながら道を歩き、遠き日の自分を思い浮べる。
あの日の自分は心も熱く燃やしていたのかもしれない。
入道雲を見て、縁日の綿菓子を思い出し、祭りの翌日の神社に行って前日を切なく思った僕。
その僕と、今の僕の心はすっかり変わってしまったんだろうか?
こんなに近くにある筈なのにすれ違っている僕の心と心。
いつか戻れるかな?
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コンクリートの壁に囲まれ 窓越しに見る空 灰色に淀む
誰も傷つけたくないの
それは偽善? 何よりも自分が傷つかないようにうまく身をかわすのね…
ねぇ いつから?
愛想笑い覚え 口ばかりうまくなる そんな術を身につけてしまったのは
ねぇ いつまで?
そんな『私』を演じて 一体何を守ろうとしているの?
それが地位や名誉ならば 私は迷わずこのハイヒール 脱ぎ捨ててやるわ
裸足で駆け出し 風を感じ 溢れだす涙はあの日の想い まるで背中に羽が生えた
華が彩るこの世界 花は種を作り 空は雲を泳がせる 海は揺りかご 眠りを誘うわ
このままあの海へダイブできたなら…
私は深い眠りへ堕ちてゆきたい
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現実と悪夢の狭間で呻く私は、その二つの違いすら分からなくなっていた。
もしかしたら現実だと思っているのが夢かもしれないと思ったり。
でも、君がいない世界が本当の訳ないから現実を信じよう。
だって、君が私の心が勝手に作り出したものだったらなんて馬鹿馬鹿しい世界なんだと思ってしまうから。
君が欠けらも存在しないなら、こんな世界壊してしまうから。
君はよく私を子供扱いする。
でも、そんな子供の私がこんなこと考えていたら、君は私を嫌うかな?
それとも君の中の私が崩壊する?
ただ一つ言えるのは、君は私にとって掛け替えのない大切な存在って事。
君の気配のない世界はいらない。
悪夢、バイバイ。
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夜風と酒が友の君
お金と時が不足気味
夜の街に誘われて、いつもふらふら御大臣
宵の口に嫌われて、いつかこけるぜお大事に
月が回り、君の側で野良犬笑ってる
酒が廻る君、それでもこの国支えてる
不景気の中で被害者意識、どこ行くニッポン
朝、駅の中、会社に行く前ドリンク一本。