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ゆっくりと時計が回る午後の授業…
ゆったりとペンを回すここ重要?
携帯を開いてサイトを覗いて見た世界
正解を聞かれサイドを覗いて得た正解
いろいろある、君の未来には何が必要?
イライラする…先が見えない俺は重症。
まるで将来の見えない、何かに怯える俺カンガルー
まぁな、しょうがない、何が必要か…俺も考える。
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その人はいつも当たり前のように
ずっと僕の傍にいる
けど突然それが不思議に思えてきたんだ
改めて実感する
幸せってこういうことなんだな
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「雲は小さな水滴が集まったものなんだよ。だから、上に乗ることはできないんだよ。」
小学三年生がうれしそうに教えてくれた。間違ったことは言っていない。けど…否定したかった。
「雲は乗れて、上には、人が住んでるんだよ。」って…。
「えー!違うよ、知らないの?」と、言われるのが恐くてやめたけど。
今の親は何を教えているんだ。先生は何を教えているんだ。社会は何を教えてしまったんだ。想像力豊かな子供たちに。証された真実ばかりを教えるのが、教育ではない。進歩した科学は、子供達が知らなくて良いことまで、証明している。だからってわざわざ、そんなことを、無邪気な知識に埋め込むことはないだろう。
靴で天気予報するのが楽しかった。テレビでやっているそれより、よっぽど、信用できたし。誰かが予想した天気を知っていたって、それに執着するほど、天気にこだわっていなかったから。
太陽はなぜ光るか?月はなぜ形が変わるか?
理由は要らなかった。ただ僕らを照らし、時間を教えてくれれば、それで良かった。
良かったのに…。
僕らは現実ばかり知ってて、また次の世代に、現実ばかり教えるのだ。
月のウサギに会いたかった…
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よく、自殺願望を持つ人に自分より不幸な人を見ろなんて言う人いるけど、それって違うんじゃない?
私は毎日キラキラした衣裳を着てステージをこなす。
きっと、そんな事を言う人からすれば、私は幸せこの上ない人間なんでしょう。
でも、自分の幸せは自分にしか分からない。
余計な口出しされると、もっともっと…今以上に、この振り子みたいなブランコから手を離してしまいたくなるじゃない。
私は別に、死にたいとは思わない。
でも、いつも消えてしまいたいという願望と隣り合わせで生きている。
そう。
死ではなく、消滅。
自分がもともと存在しなければ、誰を悲しませることもないじゃない。
もっとも、自分がいなくなったところで誰も涙も流しやしないだろうけど。
自分の存在自体が罪悪に感じて、生きることが迷惑になっている気がする。
どうしてこんな風になっちゃったんだろう?
それは自分にも分からない。
うちのサーカスの目玉は、世界で一番高い場所で行なわれる空中ブランコショーなの。
もちろん命綱なんてないし、必要ないわ。
団長はこのスリルがたまらないんだって薄笑い浮かべてる。
あぁ…私の体が宙を舞う。
今ここでこの人の手を取らなければ私は真っ逆さま。
神様、私は消えられる?
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牙を剥き出す猛獣達を従えるのが私の仕事。
奴らはいつもタイミングを見計らうように執拗な視線で私を見ている。
私はいつか、こいつらに食われてしまうのかもしれない。
いつも手にしている鞭なんて、実際は何の威圧にもなっていないのではないだろうか?
奴らの射ぬくような鋭い視線に、私はいつも少なからずの恐怖を抱いていた。
しかし、私は時にこの獣達よりも人間の方が恐ろしい生き物に思えるのだ。
この動物達は、私を食い尽くしたとして、腹がいっぱいになればそこで終わり。
それに対し、人間はどうだろう?
金を欲し手にしたとして、それがいくらあっても欲望は止まるところを知らない。
私にはどちらも同じくらい恐ろしい。
貴方は死がこの世で最高の恐怖だと思いますか…??
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俺は泣いた顔して笑ってる道化師。
滑稽な動きで所狭しと動き回り、時々間抜けなふりして大袈裟に転んだりして笑わせれば子供は皆大喜びさ。
人に笑われる仕事は惨めじゃないかって?
こっちは人の感情を支配しているんだ、惨めなわけないさ。
奴らは俺が本当は笑っているかすらも分かっちゃいないんだ。
“皆地獄に落ちてしまえ”
例えばそう願いながら憎しみを込めて観客席に視線を投げ掛けても、誰一人気付きやしないんだ。
ん?本当にそんなことを考えながらショーに出ているかって?
そりゃ企業秘密さ。
何でも謎がある方が楽しめるもんさ。
俺は笑った顔して泣いてる道化師。
今日も皆を笑わせる。
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人形はいつまでも踊り続ける。
操る人間が変わったとしても、寂しい顔も見せず軽やかに踊るのだ。
さぁさ皆さんお立ち合い。
こんなに滑らかな動きをする人形見たことあるかい?
凄いと目を丸くする子供たち。
その尊敬に満ちた眼差しが、人形の糸を伝わって俺にそそがれる。
俺はその輝く目から顔を背ける。
これは俺が人形の糸を操るからじゃない。
この人形だから動くんだ。
これじゃまるで俺の方が人形に操られているみたいだ。
客がいなくなり、俺はゆらゆらと人形を持ち上げ、床に叩きつけてしまいたい衝動にかられる。
でも駄目だ…
こいつがいなくなったら俺は生きていけない。
さぁさ皆さんお立ち合い。
こんなに滑らかな動きをする人形見たことあるかい?
カタカタ歯をならして、その言葉を発しているのは…一体どっちだ??
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操り人形は可愛く踊り、ピエロは持ち前の明るさで皆を笑わせる。
あの猛獣使いはあんなに大きなライオンに言うことを聞かせてなんて凄いんだろう。
空中ブランコで空を飛べたらどんなに気持ち良いのかなぁ??
“サーカスは夢がいっぱい”
誰がそんなことを言ったんだい??
人形は操る人間がいなければただのクズ。
ピエロは団長が憎いけど、お金の為に仕方なくおどけたふりをして、影では子供を固い靴で蹴り飛ばす。
猛獣使いは餌で奴らを率いていて、いつ自分が餌になるやら気が気じゃない。
空中ブランコのあの子はいつか落ちてしまいたいと思いながらギリギリのところでやっているのさ。
“皆ギリギリ”
人形使いは自分の人形に飽きたのか、つまらなそうに人形の足を掴む。
ピエロはまだ芸の出来ない子供が泣いているのを見て、愉快そうに腹を抱えて笑う。
猛獣は餓えた目で檻からテントの中を見回し、牙をちらつかせながら舌なめずりする。
“サーカスは闇なんだ”
ほら、ブランコの少女を見て。
ブランコにかけた手を放して。足を投げ出して。
向こう岸に渡らなくちゃ。
さあ、もう一方のブランコの男の手に…
“あっ!!”
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この世に放たれた瞬間、僕らは終わり(死)をめざして動き始める。終わってしまえば全ては無で、今のこの瞬間も全てが無駄になる。それが、恐くて僕らはくだらない偶像を信じてみたりするけど、それでも、向かうは死のみ。
始まりは終わりの始め。そんな事わかっちゃいる。いるんだけど、全てが無になるのは嫌で…恐くて、認めたくなくて…。その途中過程に本来の意味を求めようとする。誰だってそうだ。今の自分を信じたい。
未来の世代に望みを託すけれど、今の自分は消したくない。知識を持った生物は面倒だ。
そして僕もその一人だから、次の世代の記憶に大きな傷を残してやりたい。消えゆく僕の、最初で最後の、無邪気でちっぽけな悪あがき。
それを人生と呼ぼう。