詩人:タキシード詩者 | [投票][編集] |
落ち行く雨は
線なのですか
粒なのですか
いずれにしても
落ちた後は
平面です
流れる星は
線なのですか
屑なのですか
いずれにしても
落ちることなく
燃え尽きます
線でも粒でも
屑でも灯でも
いずれにしても
降らない限り
輝かないのです
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解答用紙は
大きいようで
小さくて
消しゴムも
計算用紙もない
手書きの筆記試験です
鉛筆を折るのも
鉛筆を削るのも
みんな自由ですが
一本しかありません
採点はされるでしょうか
部分点はあるでしょうか
○の数だけ
点が高いのでなく
×の数だけ
無駄なのでもなく
見易い解答も要りません
ただあなたの字で
書ききってください
丁寧でも乱雑でも
それでも最後まで
力強く諦めずに
あなたの字で
埋め尽くしてください
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止まるか 歩くの
判断を迫られて
仕方なく足をあげている
何をしたら良いか
わからなくても
暇も時間もつぶして
ただ代償を握ることで
忘れさせてくれた
振り返ることなら
いくらでもできるけど
そこには
居場所なんてなくて
夢も目標も忘れて
ここにいるしかないの
寄り道の度に
ほんの少し
幸せを捕まえて
数えられないものを
置いてきた
もう気づいている
目的地は
どこかにあるけれど
そこは頂上ではないと
ただ広いだけの広野に
山あり谷ありのこの道が
なぜかこうも
愛おしく感じてしまう
私が目指すのは
そこであり
ここであり
何よりも大切なのは
こうして進むこと
ではなく
前を見ているという
ただその事実だと
思える明日に
たどり着いてみたい
そんな明日を
明日も夢見ると
わかってはいても
明日を
今日を夢見る
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詩というものが
実際よくわかりません
私のはただの言葉遊びです
あれは詩だけど
こんなのは詩じゃない
とか
やっぱりよくわかりません
私のはただの作文です
あれは素晴らしい詩ですと
言われてみれば
そんな気もしますが
考えるほどわかりません
私のはたぶん宛名のない手紙です
でも
誰かの詩を見て
この言葉が好きとか
そういえばそうだなとか
思えたらやっぱり
素晴らしいことなんだと
思います
これは本当に思います
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誰かが過去に言ったことは
繰り返したくなくて
自分の中にある新発見を
探し中。
僕の心は誰も知らない
そのはずなのに
僕が思うことは大体
誰かが既に考えていて
詩とか手紙とかに
なっている。
僕は特別なんだろう
って
信じていた子供時代を
誰しもが持っていて
所詮僕は凡人なんだ
って
大体の人が気付いている。
そして
僕は特別なんだよ
って
いつまでも信じている人が
きっと強い人です。
だから
誰にもできないことをしたい
僕にしかできないことをしたい
けれど
そんなことは
みんな思っています。
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この辺だったような
もっと遠いところだったような
とにかく昔
どこかで落としてきたのです
小さかったような
両手いっぱいだったような
とにかく今
たまらなく必要なのです
探しに行きたいのですが
私はこの立ち位置を
動くことができません
おまわりさん
確かに落としたんです
確かにあったんです
落ちていませんでしたか
大切なものなのです
大切なものなのです
もう曖昧にしか覚えていませんが
確かそう、子供の頃
いつも持っていて
みんな持っていて
もしかしたら、あの夏が
持って行ってしまったのかもしれません
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それはいつの間にかあって
いつの間にかなくなる
疎まれることはあっても
誰からも必要とされず
誰にも愛されないもの
そんなものに私は1人
そっと思いを馳せる
明日も雨かな
とか
だといいな
とか
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風船のようにフワフワと
何かに縛られていなければ
ある日突然
ふとした瞬間に落ちてしまうのでしょうか
何かに縛られていたら
いつの間にか
人知れずうなだれてしまうのでしょうか
時計のようにチクタクと
規則正しく進まなければ
誰からも
必要と呼んでもらえないのでしょうか
足を止めてしまったとしても
すぐにまた
代わりがあるのでしょうか
あなたのようにキョロキョロと
常に居場所を確かめなければ
いつか忘れてしまうのでしょうか
誰かの視線を気にしなければ
自分の顔も分からなくなってしまうのでしょうか
屁理屈ばかり唱えて
目にうつるもの全てが
汚れていってしまったんだ
本当は
風船のようにフワフワと
ありたいままに
いきたいままに
そう願っていたことも忘れて
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一生に一度ってわけでもないし
このからだすべてを犠牲になどという
ダイソレタコトではありません。
特別でもなんでもない
価値なんてしょせん一人分でしかない
ただのちっぽけなきみです。
ほしいなんて言いません
ほんのすこしだけ
近づけてください。
小さな少しの願いです
この程度の願いです
大きくは望みませんから
どうか叶えてください。
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「飾らない君が良い」と
飾り付ける君が嫌い。
本当の自分なんて
とっくに通りすぎているから
みっともなくてもいい
つま先で歩いてみせるよ。
涙が出そうなのは
心が渇いてしまったから
わかってもらえたフリをして
笑う自分が嫌い。
弱みを握りあって
初めて向かい合える瞳
君に吐いた泣き言は
全て自分の中で解決済み。
怯えているのは
周りを油断させるため。
置いてきぼりにさせたまま
一人で走っていくよ。
出来れば構わないで
どこまで行っても
いつまで経っても
素直にはなれないけど。
本当の自分が一番らしくない
って
そう思えば
何も怖くないから。