詩人:ぴるぴる | [投票][編集] |
どうして
この世界には病気があるのだろう?
ある日そんなことをふと思った
考えても仕方のないことだけれど
急に思った
もし
この世界に病気が無かったら
あなたは遠い空に消えないで
いまも私の傍に
居たのかな?
もし
この世界に病気が無かったら
私は苦しまなくてよかったのかな?
もし
この世界に病気が無かったら
生きたい人は
どれくらいいるのかな?
そんな事を考えた
だって
あなたが遠い空に消えたのも
私が苦しいのも
生きられない人がいるのも
全部
全部
病気せい
そんなこと想っても
仕方がないけど
そうわかっていても
考えてしまう
想ってしまう
「もし」って
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生きていくことは
パズルと同じだと思う
違うのは
始め方
生きるパズルは
組み立てるんじゃなくて
組み立ててあるのを
崩していく
産まれた頃は
完璧なきれいなパズル
でも
歳をとって
老いるほどに
段々ピースが外れて
病気や怪我をすると
一気にピースが外れてしまう
その外れたピースの代わりとなるのが
薬なのだと思う
空いた隙間に
その形に近い薬のピースで補う
だけど
どんなに代わりのピースで補っても
それは本物のピースではないから
やっぱり外れて
また別の薬というピースをはめる
病気と闘うというのは
そういうことなのかもしれない
だから
とっても大事なピースが外れてしまうと
雪崩が起きたかのように
一気にピースが外れていって
何も残らなくなってしまう
それが「死」
生きることは
パズルを崩すことに似ていると思う
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病気なんて
この世から無くなればいいと思ってた
もし
病気がなかったら
あなたは今も
私の傍に居たのかもしれない
私だって普通に
学校に通えていたのかもしれない
どうしてもそう思ってしまう
病気のせい
病気のせい
病気のせい
本当は違う
私が健康じゃなかったから
病気になっただけ
あなたがいなくなったのだって
すべてが
病気のせいじゃない
そう思ってしまうのは
そう考えてしまうのは
私の心が歪んでいるから
私の心が醜いから
優しくないから
誰かのせいにしないと
生きられない
私の心が弱いから
本当は病気のせいじゃなくても
よかったのかもしれない
例えば
あなたを治せなかった先生
私を治せない先生
でも
一番憎みたいのは
私自身
私があなたを病気にした
私が私を病気にした
本当はそう思っているのに
そのことを
認めたくないから
考えたくないから
私は言う
病気のせい
病気のせい
病気のせい
そう思ってた
だけど
あなたが居なくなって
私も病気になって
数年を迎えて
振り返ってみると
元気だった頃の私とは
別の私が笑ってた
元気だった頃には
しなかったようなことをして
元気だった頃には
想わなかったこと思って
そして
生きている
病気で失ったモノも多いけれど
得たモノだって少なくはない
だから
私はちゃんと病気と向き合って
歩いていきたい
これまで嫌ってきた分
きちんと向き合っていきたい
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お兄ちゃんや
お姉ちゃんが
ずっと欲しかった
私はお姉ちゃんで
妹がいるから
私も妹になってみたかった
お姉ちゃんは
いろいろ大変だから
早く起きて
朝食作ったり
妹を起こしたり
得意でもないのに
勉強を聞かれたら
答えなくてはならない
休みの日は
夕食も作って
・・・
他にもたくさん
それに一番嫌なのは
私のせいで妹が悲しむこと
だから
お兄ちゃんや
お姉ちゃんが
欲しかった
でも
もし私にお兄ちゃんかお姉ちゃんがいて
私と同じように
思ってしまうなら
私はいらない
そんな想いさせたくない
だから
いまは
いらない
その代わり
私がお姉ちゃんで
よかったと思う
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もし
一生が25年だとしたら
私はどうするだろう
たったの25年しか
生きられなかったら
私は何がしたいだろう
何を望むだろう
人は他の生き物より
ずっとずっと
長生きだから
25年なんて
人生のほんの1ページなのかもしれない
だけど
もし25年しか生きられないとしたら
私はどうするだろう
何がしたいのだろう
今の私には
たくさんの未来が待っていると信じているから
そんなに短い刻なんて
考えられないし
わからないけれど
もしそうだとしても
たったの25年だけだとしても
私は
私らしく生きていきたい
25年しかないけど
25年もあるのだから
私は私のままで
歩いていきたい
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私は仮面を被っている
その場、その時によって
着ける仮面は違う
そして
私は演技する
まるで
舞台で舞う役者のように
友達と一緒にいても
仮面を被る
そして
相手が返して欲しい
反応を返す
笑って欲しいときには「笑い」
悲しんで欲しいときには
「悲しむ」
仮面の裏で
泣いていても
私は「笑顔」の仮面を着ける
誰も知らない
知らない
知らない
本当の私の顔を
誰も知らない
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私はどこかに行きたかった
遠い遠いどこかへ行きたかった
だけど
どこへ行きたいかもわからない私は
ただそこで足踏みをするばかりで
どこにも行けなかった
もし羽根が生えたのならば
空だって飛べるのに
もし水の中で呼吸が出来たのならば
海の中にもいけるのに
ならば
足がある私は
どこまでも歩けるはずなのに
私はどこにも行けなかった
いくら足があっても
行き方を知らない私は
どこにも行くことが出来なかった
誰か連れていって
私が本当に行きたいところへ
誰か教えて
私が本当に居なきゃいけない場所を
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誰も知らない
知らない
知らない
本当の私を
誰も知らない
誰も知らない
知らない
知らない
本当の私の「笑顔」を
誰も知らない
誰も知らない
知らない
知らない
本当の私の「涙」を
誰も知らない
誰も知らない
誰にも知られない
笑顔の裏に隠された
泪の意味も理由も
そんな私は
今日も独りで泣いている
誰も知らない
知らない
知らない
本当の私を
誰も知らない
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毎日
たくさんの人が
死んでいる
火葬場にはたくさんの人がやって来る
みんな
もう二度と瞼を開かない
みんな
もう二度と動かない
みんな
もう二度と喋らない
そして
灰になって
大空高く翔んでいく
火葬場に残されたのはたくさんの後悔と
たくさんの泪
毎日
たくさんの人が
生まれてくる
病院には
たくさんの人が
やってくる
みんな
これからたくさん瞼を開く
みんな
これからたくさん動く
みんな
これからたくさんの言葉を覚えていく
そして
お母さんに会って
お父さんに会って
希望が溢れる
未来へと翔んでいく
病院に生まれたのは
たくさんの喜びと
たくさんの涙
毎日
毎日
繰り返される
死と生
たくさんの人が
死んで
たくさんの人が
生まれる
毎日
毎日
その繰り返し
どうして
こんなにも毎日
たくさんの人が
死ぬのだろう
どうして
こんなにも毎日
たくさんの人が
生まれるのだろう
この国は少子化だから
この国は高齢化だから
きっと
生まれる者よりも
死ぬ者のほうが多い
きっと
嬉し涙を流す者よりも
悲し泪を流す者のほうが多い
こんな世界なんて
嫌だ
悲しむ人が多いなんて
嫌だ
もっと
もっと
もっと
泪の少ない世界にしたい
もっと
もっと
もっと
笑顔が溢れる世界にしたい
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あの日
教会で誓いをたてた
二人は一緒なのだと
死ぬまでお互いを
愛し合うのだと
そして
交わされた指輪交換
その指輪が何よりもの
証だった
母が永久の旅に出てから
父は指輪を外した
「大切な物だから」
そう言って父は指輪を
証を金庫に終った
でも
私には
指輪を大切にするというより
証を忘れてしまいたいよう
母がイタことを
忘れてしまいたいみたい
物を終うことで
心の想い出にも
鍵をかけているよう
そう見える
「ねぇお父さん」
「お母さんのこと忘れたいの?」
「ねぇお父さん」
「どうして何もかも終っちゃうの?」
「ねぇお父さん」
「そのうち私たちのことも終ってしまうの?」
「ねぇお父さん」