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ぴるぴるの部屋


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詩人:ぴるぴる [投票][得票][編集]

ふと
窓の外に目をやると
雨が降っていた
空には
真っ黒な雲が
一面を覆っていて
さっきまで
輝いていた太陽を
すっかり隠していた

まるで
闇に襲われたように
辺りが黒になった



「黒」は
何にも染まらない色
常に自分を保っていて
どんな色を混ぜても
けして変わらない
それが「黒」
たとえ
どんなに美しい色を混ぜたとしても
「黒」は
何も変わらない

全てを
吸収してしまう
特別な色


「黒」は
何の影響も受けずに
ずっと自分がある
だけどそれは
とても寂しいこと
どんなに近付こうとしても
すぐに吸収されてしまう
誰も
内側には入れない
一線を引かれ
いつも独り
たとえ
泣いていても
その泪さえ隠してしまい
誰も気がつかない


「黒」は
とても強い色
そして
「黒」は
とてもとても
悲しい色

2006/08/30 (Wed)

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