君に届かない君に届けない目一杯伸ばされたふたつの手は指先だけかすって離れて行った僕に聞こえない僕に聞かせない長い髪を乱れさせて頚を振る君は口付けだけ残して離れて行った君に絶対届かない僕に絶対聞かせない透明な壁を壊せないでいるきっと君まで壊れてしまうから耳を塞いだ手を離せないでいる君の声は痛く僕を苦しめる
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