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猫の影の部屋  〜 投稿順表示 〜


[433] 糸。
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僕の声

君の瞳に吸い込まれてく

どうにもうまく話せない

首かしげる君を前に

どうにもうまく声が出ない


困っちゃってとりあえず笑うことにした

2007/11/12 (Mon)

[434] 魚。
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幸せで僕のすべてが満たされたなら

僕はきっと死んでしまう


幸せが僕のすべてを満たしてしまったなら

僕はきっと殺されている


声が涸れて

光も涸れて

波も涸れる


水の中のアレのように

苦の中のソレでなければならない

2007/11/12 (Mon)

[435] 現実。
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抜けがらのように虚しくて苦しくて

消え入りそうな僕の声

吸い込まれてく


見えてるの 感じているの ねぇ

どうか立ち去ってください

針のような優しさなどは

煩わしいだけ


見えもしない 聞こえもしない

僕は消えゆく小さなほこり

つんざくような慟哭も

張り裂けそうな怒号さえ

すべてはあの闇の中へ

闇の中へ・・・

2007/12/15 (Sat)

[436] 将来、展望、希望。
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せつなくなるから散らないで紅葉


燃え盛るような秋は過ぎて

ただただ虚しい空模様

踏みしめる枯葉も消えうせて

まるでもとからなかったかのよう


僕らの恋は初めからずっと

生温かい春の音の中

ただ甘いだけで続いていいのか

そうして続いていくのか


花びらをそっと撫でて露を拭う

茎をなぞる甘美の果て

一条の光もただ刹那

大きな喪失感とわずかな充足感

ただただ虚しい午前二時


散らないで紅葉

僕らの恋を照らしてよ

2007/12/15 (Sat)

[437] 愚民に告ぐ。
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それは狭い視界

見えないものが大半で

過酷な風は吹かないね

君はそれで満足かい



泥まみれの埋蔵金

絵の具で染めた黒い海

頭を垂れて睨みつけてる代弁者


すべての闇から目を背けるの


あぁ逃げ道もないのに逃げたところで

どのみち行き止まりか崖っぷち


それすらわからないのか

まぁかわいそう





目障りだから消えちゃいな

2008/01/23 (Wed)

[438] 生温い。
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風に流れていくのもいい

波にゆられて行くのもいいさ


やさしいやさしい風の中

今日もみんなは知らん顔

やさしいやさしい波の上

今日もみんなは知らん顔


妙に生温いウソの中

今日もみんなは知らん顔

2008/01/23 (Wed)

[439] なくしたもの
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ふと顔あげて気付いたことは

降り始めた雨と

一人の僕


道行く人の会話は途切れ

耳鳴りに似たノイズが混ざる


一度忘れたものは

あぁなんだかうまく思い出せなくて

心の中をいくら探して

記憶の糸をいくらたどったって…


途方もない水の底

君の声は見当たらないよ

君の声が見当たらないんだ



ふと立ち上がって気付いたことは

沈んだ太陽

なくしたバイクキー


視界を揺らす雨粒が

君との思い出 君の声

君の温もり なにもかも

ぼんやりしたものにかえていく


幸福な思い出は

あぁいつもうまく思い出せなくて

心の中をいくら探して

記憶の糸をいくらたどったって…


薄暗い水の底

君の笑顔が聞こえないよ

君の笑顔は聞こえないんだ





一度忘れたものは

あぁなんだかうまく思い出せなくて

心の中をいくら探して

記憶の糸をいくらたどったって…


途方もない水の底

君の声は見当たらないよ

君の声が見当たらないんだ

2008/02/03 (Sun)

[440] 消失。
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僕はいつも逃げてばかり

逃げて逃げて逃げてばかり

あああああぁぁぁ…

耳が定まらない

視点が定まらない

自分の殻に引きこもり

自分の存在を滲ませる

そしてそのまま消えてしまいたい


輪郭があることが恐ろしく

まなざしに怯えて逃げ惑う

隠れる場所がないのは知っている

逃げおおせるわけもないのも知っている


ただ、そのリアルから

ただ…このリアルから

2008/04/08 (Tue)

[441] 乖離。
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言えない自分が拡がる感覚

醜い顔を伏せて隠匿

自分の中の正当性

社会の中では不透明

道徳は紙細工

慟哭は消えていく


脳がピリピリ痛むのは

何かが僕からはがれているからか

2008/04/22 (Tue)

[442] さがしもの。
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そこにあったはずのあれは

どういうわけかそこにはない

おぼろげな過去をひきずりだして

眠りこんでた記憶をたたきおこしても

どうしてだろう、どこにも見当たらない


あったはずなのにそこにはなくて

いくらさがしても見つかんなくて

諦めたって独り言

だけどそれでも気になるさがしもの




そこにあったはずのあれは

いつのまにかにそこにはなくて

もういいやなんて思ってみるけど

結局またさがしはじめる僕がいる

だってそう、あれがなけりゃあはじまんないんだ




いつでもそこにあるなんてもう思わないから出てきてよ

これからはちゃんと場所を決めて大事にするから

これからはもっと大切にするから

だからお願い、僕の元へ

僕の所へ帰って来てよ


忘れた頃に、なんて困るんだ

忘れることが、きっと僕にはできないから



だからお願い、僕の元へ

僕の所へ帰って来てよ


僕の大事なさがしもの








2008/05/07 (Wed)
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