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猫の影の部屋


[459] 君へ。
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僕は結局、

自分が嫌いで、

それと同じくらい君を求めていて、

だけどきっと、自分が1番可愛いんだね。



人が人を求めるのに、

何か深遠な理由がいるとは思わない。

それはきっと、人に残された数少ない思い出なんだろう。



僕を見て欲しい、

僕の声を聞いて欲しい、

たとえそれが醜いものだとしても、

それが僕なのだから。



僕らはいつも、

不安の淵をさ迷って、

悲しみの底を手探りで歩くけど、

幸せのための道がわからないんだね。



僕が君を求める理由なんて、

たいして崇高な感情からなんかじゃなくて、

ただ単純に寂しいからなのかもね。

自分の存在を、誰かに認められたくて、

確かめたくて…。



愛してるとか、

大好きだとか、

使い古された表現では、

もう君をつなぎとめられない。


君に依存してるといったって、

僕の言葉はあまりにも無力だろう。



僕を見て、

声を聞いて…

醜いんだよ。

なのに君は…馬鹿なんだよ。





君と喧嘩しただけで、

僕にはちょっと楽しかったことも、

伝える相手がいなくなるんだ。



だからねぇ、

僕の醜さを否定しないで、

僕をそっと抱きしめて、

僕をずっと守っていてよ。

君がいないと、

生きるのも怖いんだ。

2008/10/25 (Sat)

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