ホーム > 詩人の部屋 > 猫の影の部屋 > 哀しい恋。

猫の影の部屋


[504] 哀しい恋。
詩人:猫の影 [投票][編集]

哀しい恋はいつも滑稽で
イエスが座禅を組んでいる

振り返るその刹那
香る髪の粒子
鼻の奥が少し痛いのは
多分気のせいなのだ

マグダラのあの女
そんな風に言いたくなる
絡め取られた少年に
その糸は見えることもない


哀しい恋はいつも早計で
妻子を捨てた男の後悔のよう

耽美的な微笑み
目にしみるその造形
目から何か流れているのは
多分何かの勘違い

宮殿のヤショダラとでも
そんな風に言いたくなる
絡め取られた少年に
その意図はわからずじまい



振り返るその刹那
香る髪の粒子
鼻の奥が少し痛いのは
多分気のせいなのだ

2010/09/08 (Wed)

前頁] [猫の影の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -