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猫の影の部屋


[506] 沈黙。
詩人:猫の影 [投票][得票][編集]

忘れてしまいそう
あの日の夕焼けも
あなたの絵も

湿気たクッキーが
袋の中で粉々になっていた

何が楽しかったのか
何が哀しかったのか
思うようには描けなくて
日が滲む


かすれてしまうそう
綺麗な思い出も
恋人との時間も

錆びたジッパーが
記憶の隅で引っかかっていた

何を求めていたのか
何になりたかったのか
思うようには描けなくて
日は沈む


古びた雑誌が
口を噤んで佇んでいる

胸が濡れた


何が足りなかったのか
何か余計だったのか

何を求めていたのか
何になりたかったのか
思うようには描けない

描けなかった

2010/09/13 (Mon)

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