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猫の影の部屋


[513] フラグメント。
詩人:猫の影 [投票][得票][編集]

住み慣れた町の空は

妙に優しくて


流れたものを

冷たく光る月には

見えないようにしたんだ


引き裂いた大切なものは

きっと元には戻らないだろう

そう思うことにした



何も見たくなかったのだ

だから空を眺めた


消え入りそうな星を

なぜだか掴もうとした

届かないことなんて知ってた


叩きつけた大切なものを

その欠片を拾い集めた

それしかできなかった



吐き出した煙は

夜の空に溶けたろう


大切なものの欠片を

手に抱えて歩き出したんだ

そうしようと決めたから


そう思ったんだ





2010/11/25 (Thu)

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