住み慣れた町の空は妙に優しくて流れたものを冷たく光る月には見えないようにしたんだ引き裂いた大切なものはきっと元には戻らないだろうそう思うことにした何も見たくなかったのだだから空を眺めた消え入りそうな星をなぜだか掴もうとした届かないことなんて知ってた叩きつけた大切なものをその欠片を拾い集めたそれしかできなかった吐き出した煙は夜の空に溶けたろう大切なものの欠片を手に抱えて歩き出したんだそうしようと決めたからそう思ったんだ
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