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猫の影の部屋


[526] 黄昏の向こうがわ。
詩人:猫の影 [投票][編集]

落ちた恋のことを
いくら考えてみたところで
その吐息はもう確かにあって

畳まれた洗濯物
奏でられる三重奏
空振るバット

世界は不思議とそのまま停止して
触れた感触はざらりとしたまんま
闇の中へ溶けていく


落ちる恋のことを
あれこれ切り貼りしてみたところで
その消息は確かに聞こえていて

洗われた食器
岩に染み入る蝉の声
空を切るバット

世界は平然と世界然としていて
空に手を伸ばしても掴めない
溶け出す闇を掬う



落ちた恋のことを
いくら考えてみたところで
その吐息はもうそこに在って

2013/08/15 (Thu)

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