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丘 光平の部屋


[8] 目覚め
詩人:丘 光平 [投票][編集]


若草の額をやさしくなぜる
風の音のうすみどりが
まだ頼りのない幹へ五月を告げる

精一杯に大きく広げた枝々に
憧れや願いごとが
つぎつぎと目覚めてゆく
幼い花嫁の晴れやかな笑みのように

そして
降り落ちる光の重さを
花の器に受け取ってはまた
そこはかとない予感が
地中の根にそっと秘められている

2006/01/29 (Sun)

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