忘れればいい


『忘れたくない』


嫌いになればいい


『嫌いになんてなれない』


変な事ワザと
言ったりして
嫌われればいい
変な子だと
思われればいい
捨てられればいい


『嫌われたくない
捨てられたくない』


見放されて
けなされて
嫌われて
ワザと落とされて

暗いどん底に
墜ちればいい



「愛してるよ」

「好きだよ」





うるさい





あたしを暗闇から
救おうとなんてしないでいいのに

そんな偽りの言葉


あたしには
似合わないいらない


『暗闇の中でいつかはそうやって救われるのを待っているんでしょ？』



違う



『違わない』



もう一人の私が私に
問い掛けて来る


あたしは二人？
どっちが本物？
あたしは誰？
あたしは何？



『…………』



答えが無いんだ




あたしは一体
何なんだろう

あたしは一体
どうしたいんだろう

あたしの思いどうりにならなかったら？

いいよ別に
皆ん中から消えて

はいサヨナラ

簡単でいい結果じゃん

皆から見たら
あたしはいらない


あたしはもういない

誰も見てはくれない

あたしの存在すら
もう見てはくれない



あたしが死んでから
ようやく
気付くんじゃない？

『あ、そういやいたんだっけ。死んじゃったんだ』


悲しまないでいい
寂しがらなくたっていい

貴方達の中には
あたしは始めから
いなかったんだ



いらなかったんだ

タバコ一本
それがあたしの
唯一の癒し
そして
死へのカウントダウン


タバコ一本
もう一本
もっと続けて吸おうか
肺にたっぷりいれて
目眩がするくらい
吸いまくる
まるでそれは
死へのカウントダウン


もっともっともっと
もっともっともっと



死への
カウントダウンを
早めて


あたしは遠のいて行く



それでいい

からっぽだ


何もかも



あたしには
なにが
残ってるんだろう


どんどん消えて行く
人と人との繋がり



あたしの中には
誰も残って無い



誰があたしを愛す？
誰があたしを
安らげてくれる？
誰がいるの？
誰かいるの？




嫌いなら嫌いって言えば？
あたしも縁を切ってやる





「さよなら」
だけのメール送ろうか


悲しい返事



待ってるよ

どうして産んだの？
ママ



『愛してるからよ』




どうして育てたの？
ママ




『愛してるからに決まってるでしょ』




じゃあ





どうして
「金のかかる娘だ」
とかいうの？

どうして
「嫌いよ」
なんて言うの？



愛してるんじゃなかったの？





どうして産んだの？
ママ
どうして育てたの？
ママ
どうして捨てなかったの？
ママ
どうして殺さなかったの
ママ




いつだって
殺していいんだよ


ママ

死のう
死のう

ビルの屋上で
裸足になって立つ

きっと誰か止めに来る

「死んじゃ駄目だ！」
「死んで何になる！」

きっと友達はこう言う
「逃げたいだけでしょ」って

そう
あたし逃げたいの
この現実から

ほら止める言葉なんて
見つからないよきっと
だから

死のう
死のう
逃げよう

「悲劇のヒロインぶってるようでムカツク」



あたしは
そんなつもりじゃ
無かったんだよ




だけどある漫画で


「そんな悲劇のヒロイン面してたらそのうちハートにまで毒がまわるんだぞ！」



愛あるセリフだった



その人を好きだから
大好きで
大切だから
言ったセリフなんだと

思った



あたしは



言われた人に
愛はあったのかな？
ただやっぱり
憎たらしくて
嫌われてる
からなのかな



ねぇ



アナタはあたしを
どう思って
くれてますか？


素直に聞けたら
いいのに
怖くて聞けない



やっぱり
先を見て
勝手に
嫌われてるんだろう
って思ってしまうから


怖くて

聞けない

また赤くなった
あたしの手首


液体とまではいかない
三回目のリスカ




もっと深く
切れたら良いのに

言われたい言葉


誰でもいい


わけじゃない


貴方じゃなきゃ


駄目なの


ねぇ


ぎゅうっと抱き締めて


泣きじゃくるあたしを


力強く痛いくらいに


そしてあたしに言って




「頑張ったね」




そしてまた


あたしは泣きじゃくる



それは多分



愛と安心を感じ


流した涙

古傷パックリ


血がどろどろ



どうすれば止まるかな


アレもダメ
コレもダメ




わかってるんだ

一番よく効く薬



だけど


すごく遠い場所に
微かに見える



手が届かない
手が届かないよ




誰か取ってよ
誰かこの傷口を



誰か……！