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香奈の部屋


[392] 『もし』
詩人:香奈 [投票][編集]

今日バイトの子が
一人辞めた

同じ歳で
初めはあまり話さなかったけど、
後半良く話した

バイトだけの付き合いだったから
なかなかこれから会えないだろうし


最後の挨拶もあっけない

「暇な時は遊ぼうね」
だなんて言うのは
ただの社交辞令にしかならないし

…これが君だったら
どうなるだろう

まずあたしは
この日が迫る事に
毎日焦りを出す
そして最後の日

朝は憂鬱
バイトに行きたくないけど、
君とは最後になるから
行かなきゃならない

別れたくない
さよならなんてまだ
したくない
そんな言葉ばかり
きっと頭に浮かんで


昼間も憂鬱
休憩とったって
頭の中は休憩なんてしない
君が入る時間になって
この[君]が
あたしにとって最後なんだって見て
喋りたいけど、
仕事中だし
言いたい事沢山あるけど
言えないし

そして夜も憂鬱
もうすぐ終わりの時間だって思って
いつもなら
最後の1時間
針の動きが遅く感じるのに

今日だけは高速回転


「今日で最後だね」

言いたい事
少し言ってみる

『そうだね』

サラっと
答える君

もっと言いたい

だけど


「暇な時は遊ぼうね」
だなんて言うのは
ただの社交辞令にしかならない


でも

あたしは本気だよ


…そうしたら
あたしは
泣きそうになったり
するのかな

泣かないように
必死にこらえる

『いままでありがとね』

うん

『まぁどっかで擦れ違ったり
するかもね(笑)』

うん


うん…


もう視界がぼやけて

顔あげられなくて
作業やってるフリしながら


一番言いたかった事

言ってみる



「また…暇な日にでも遊んだりしようね」

『そうだね』


あぁ

またサラっと答えた


思わず
流れた涙と

ハハッ…って


呆れて笑ってみた





で、ここまで「もし」で想像した自分に呆れ笑い(苦笑)

2005/12/30 (Fri)

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