詩人:香奈 | [投票][編集] |
夢見る事に
憧れ
光をうらみ
闇を好んだ
繊細なお姫様
耳から入る色々なモノに
心は掻き乱れ
頭はグルグル
お姫様は願いました
「耳なんてなければいい」
いつしかお姫様は
聞き入れる事を
しなくなりました
大事な人間の五感
それの一つが
無ければいいだなんて
それでも闇に憧れる
それでも光を恨む
ゆるされるならば
夢を永久に
そうね
貴方と一緒に
聴覚がいらないならば
貴方の声は聞こえない?
そんな事無いの
あたしにしか
聞こえない
貴方の声は
いつも耳元で
囁かれるの
繊細なお姫様
視界に入る世界に
お姫様は
心を掻き乱され
目からは
真っ赤な涙
お姫様は願いました
「目なんてなければいい」
大事な人間の五感
その二つを
無ければいいだなんて
それでも闇を求め
光を拒む
見えないという
辛さがあたしにとって
どれだけ楽な事だろう
そうね
貴方だけは
見ていたい
視覚が無ければ
何も見えないはず
そんな事無いの
貴方はここに
あたしの隣りで
愛しい顔で
あたしを包む
このまま一生
離さないで
いつもあたしの
隣りにいて
愛していると
囁いてくれる
貴方は
どうしてあたしを
抱き締めてくれるの
「いつも真っ暗な景色を見る貴女を
私へとさらいに
来ました」
貴女はどうも
闇がお好きなようで
私が闇へと
さらって
差し上げましょう
あぁ
あたしを閉じ込め
てくれるのね
ナニモキカナクテイイ
ナニモミナクテイイ
繊細なお姫様
いつしか自ら耳を塞ぎ
自ら目を潰した
お姫様は
夢見る事に憧れ
光をうらみ
闇を好んだ
目を塞いで
耳元で
いつものように
愛していると囁いて
そう
あたしは夢見る事しか
できないの