目の前を這う時を背負ったカタツムリ物陰に身を潜めるように枯れ木が立つ季節に耐える瀕死の枯れ葉と北風にふるえる枝との最もきわどい接点に存在する瞳の内へ足元の小石が瞬間移動したガランとした空間の何も無い所にぶつかり干乾びた悲鳴全てをゆさぶる地割れが始まるあちこちで始まる追い詰められた子羊イメージの内へ飛び込むせっぱつまって創造した母なる海のイメージへがすでに蒼々とした生温かい羊水は無くどす黒い干上がった海の底でつぶれた
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