ここまで冬がやって来たヒュルヒュルと口笛を吹く 貴方は偉大な音楽家 黒いマントを広げ私の頭を抑え付けミルクを冷たい雪に変え パンを硬い石にした憂鬱と云うテーマを与え空腹と寒さと言う名の二本のタクトを操り病的な和音を創り出すさらにはクルクルと踊りながら人間の凍り付いた黒い血を黒い器に集めて廻る実に見事なワルツだ私にもひとつ教えて頂けまいか
[前頁] [そほとの部屋] [次頁]