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sophyの部屋


[2] HEM
詩人:sophy [投票][編集]

揮発性の強い泪
ある種の循環のように
僕の両の目から湧き出ては染み込んで
軈て余った老廃物


誕生日の赤いパンプスを君は
記念日の刻印指輪を僕は
いつかまた二人
やり直せたときの為の遺言


虹が架かった空に雨を期待し
泣き出せば手が塞がってしまったと苛立つ
如何に過ごしても「矛盾」が僕の支え


僕は小指に繋がっていたのが頑丈な鎖だと思っていた
酸化して錆びることのない
ただ君を信じていた

東雲(しののめ)、焔色に染まる窓辺
新聞配達員の足音
重たい体から伸びた触角でアイ・シーンを捕まえた
くわえ煙草でさえもう
この部屋は君の匂い

幾度季節を束ねても、君がいた夏がほどけない
堅い、堅い珠結び


漆黒、一縷の光をも遮るカーテンに染み付いたチャンダン香にべない君の横顔に目立つ面皰(にきび)を撫でた
燐寸(マッチ)を擦るだけでもう
この部屋は君の匂い

2007/05/22 (Tue)

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