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果南の部屋


[3] 朝 綿ぼこり
詩人:果南 [投票][編集]


夜が
ねまきを脱ぎ忘れたような
そんな朝




さしこむ光は灰色
重たい
さむい




たくさんの過去たちが
部屋のすみっこで
綿ぼこりになって ぼうっとしている





ほの暗い部屋
ストーブをつけたら

ぽぽぽぽぽ



過去たちが 
少しうれしそうに
小さな暖のまわりに集まってくる







またあたらしい
一日のはじまり






つもる
過去




ふえていく
綿ぼこり







窓をあけて 風をまねくと
綿ぼこりは
ふわっと舞いあがり
いっせいに
ちらばる
私の胸






少し
咳きこんだ







あたりは少しだけ
あかるくなった










2005/02/17 (Thu)

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