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soulの部屋


[273] 漂泊者の唄
詩人:soul [投票][得票][編集]

知らぬ間に賢くなりすぎて
生きる事すら忘れてしまって
知らぬ間に賢くなりすぎて
ひとは嘘すら信じ込んで

知らぬ間に賢くなりすぎて
知らない事は無いと言い
知らぬ間に賢くなりすぎて
温もりすらに慣れてしまった

知らぬ間に賢くなりすぎて
いつでも堂々巡ってまた同じ場所

夜が更けたら
どこかからやってくる
冷たい空気に混じった悲しみを
全部飲み干してしまいたいな

夜が明けたら
乱反射しで美しい
まるで嘘だらけの
決して届きはしない虹を
馬鹿みたいに追いかけに行きたいな

最期は何も知らないままで居たいな
見えないものばかり追って
見たことも無い場所へ行き
夢や月や土や花や風や空を見ては
まだ知らない言葉に出会い
そのまま風化していきたいね

2006/12/04 (Mon)

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