詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
身体を外して
横たわる
誰にも返信できない
何にも変身できない
どこにも行けない状態へ
自ら持っていく
六畳間
行き交う音楽
もう何周目
あと何周で
私を
身体に戻そうか
考えるわけもなく
アテもなく
果てもなく
寝転んだ自我
起こさないよう
静かに
眠る気も起きず
起き上がることもなく
膨れ上がる苦しみから
背を向けて
明日になるまで
ぼやけてる
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すべてが怪しく思える
日曜日
今日も今日とて
夜更かしを
あれ?
よく考えたら
明後日が木曜日で
昨日はイエスタデイだから
今日は
火曜日じゃあないか?
あーあー
白々しいね
お前さん
むふふのふ
んむむむむ
燃えないゴミは
いつ出そう?
朝は
夢を見て忙しいし
昼間にゴミを出せば
奴等が漁りにやってくる
だから夜
今しかナイト
駄洒落を言って
滑った勢いで
床を走って
パジャマで外まで
くるまがはしるおと
とおくから
きこえてくるけど
ちかくに人はいない
気のせいだ
このマンションにも
左隣の一軒家にも
その隣のホテルにも
遠くで光る
車の中にも
地球上に
人間はいっぱいいて
独りであっても
一人ではない
本当かどうか
疑う余地もないくらいに
それは本当で
だからこそ怪しいんだ
アイツは今も
その辺を
うろついてるんじゃないか
ってね
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明日かもしれない
と
思えない僕は
夜に
生きていられることを
幸せに感じるんだろう
明日もあるさ
と
思う僕は
きっと
余裕に憑かれている
睡魔の意思とは関係なく
眠る前に
僕は
おやすみなさいを
言うよ
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上を向いて歩くな
望みは高く
届きはしない
下を向いて歩くな
底にあるのは
お前の足だ
前を向いて歩くな
たしかなものは
何もない
横を向いて歩くな
見えないものから
目を逸らせない
振り向くな
手を伸ばしても
届きはしない
引き返すな
もう戻れない
斜めを向いて歩くな
いつまで経っても
たどり着けない
まぶたを閉じて歩くな
闇に逃れても
あなたは消えない
なんて
気のせいだ
気になるけど
気にせず
好きなように歩こう
なんて
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生きていても意味がない
って
うたってる君の足跡を
液晶越しに
眺めていたら
あっという間に
時間が過ぎてった
って
うたってみたって
まあ意味なんてないよね
それと同じで
明日が来ても来なくても
いてもいなくても
意味なんてなくて
それならばどうして
あなたはそんなに
必死に
うたっているんですか?
骸になって
塵になって
空気を読んで
消えていけたら
埃かぶって
燻って
空気も読めずに
ここにいるなら
意味がないのは
必然かもしれません
誰かの栄養になりたいな
そう思いながらね
死にたいな
たとえそれが
偽善でも
今の僕より
素晴らしいかも
カウントダウン
うたってる
君の横顔
その亡骸を
ネットで拾って
眺めていたら
もう
必死に生きてる誰かが
疎ましくも羨ましくて
成功してる誰かを
努力もせずに
妬みながら
生きていくのは
もう沢山だ
けど
スイッチを押す手が
震えていて
うまく押せなくて
言い訳に包まれながら
軽い悪夢にうなされて
一時間半
眠る
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入れたい時だけ入ってくる
あなたを待つ身にも
なってよ
甘く噛んじゃえ
首の根まで
すっぽりと
恋しくなるまで放置して
思い出したように
無意識に
温もり求めて奥の奥まで
突っ込んでくる
あなたを待つ身にも
なってよ
精一杯の無抵抗
いつまでも
いつまでも
静かに
じっと
おとなしく
なんか
してやらない
なんて
言って
あなたの帰りを
待っている
ポケットの中に手を
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時間にも
心にも余裕がなくなると
決まって
きみを思い出すんだ
弾けず
浮かぶだけ
の無数の泡
乱暴にすくっては
ケータイと鼻の先に
向かって投げつける
ウィンナ・コーヒー
指先でかき混ぜる
けれども溶けない
ただ
混ざらない白と黒の
温度を感じ
ているようで
別に何とも思わない
嘘も少々
あと少し
待ったら完成かな
時間にも
心にも余裕がなくなると
決まって
きみを想い描くんだ
はじめまして
さようなら
何も変わらないようで
注いで飲めば
わたしがどんどん
冴えてくる
だから今日が過ぎても
眠れないんだねきっと
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道行く人と
目と目が出会えば
不自然に視線を
右上にズラす
あなたには不幸で
いてほしい
落ちる心を
キャンパスに晒して
嘆き悲しみ
自らを虐げ
昏い色を重ねるその姿
何も言わずに遠くから
眺めてたいな
いつまでもいつまでも
醜悪と言われても
あなたには不幸で
あってほしい
付け加えられた
謝罪の言葉は
言い訳にしかならない
だろう
私は何も
しないから
いつまでも不幸なままで
いて下さい
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夕焼け野原にゆれる
ススキのような
ふにゃふにゃ死体の
彼と一緒に
まどろみどろんと
消えてしまえたら
生きていても
死んでしまっても
明日がやってきて
お早うと笑うの
彼と一緒に
ふにゃふにゃしたいの
朝焼け野原にもゆれる
ススキのように
まどろみにゃふんと
笑えたら
温もりがありますように