詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
新しい者が
必要なくなって
形状記憶の箱庭を胸に
眠る
懐柔した怪獣を街にやり
破壊と再生を繰り返す
砂時計をひっくり返す
まばゆいピンクは
さらさらと
平和な世界をぶり返す
もう逃げなくていい
ここにいれば安心さ
要らない者は
誰もいない
何も考えなくていい
備え付けの安心を胸に
眠れ
大丈夫
大丈夫
大丈夫
ここまで来れば
大丈夫
揺りかごから墓場まで
母なる海に身を寄せて
還らぬ人に
わたしを消して
おやすみなさい
詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
間違った解釈
隔たった講釈
肝心なところは
ひとつだって伝わらない
根気よく丁寧に
わかりやすく叱っても
きみの理解は別世界
するりと抜けて
去りゆく私に
飛び出す笑顔
手を振るな
詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
起き上がったら
朝に至る
半開きのドア
傾ける首
転がる体
揺らす足首
立ち寄る寒風
正午を過ぎても
降りてこない
まばゆい光
ちかちかと僕を照らす
起き上がるまで
横になる
悠久は取れない
明日には頑張る
待てど暮らせど
差は開かずに
これでもかと
過ぎていく私
特に意味はなくて
詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
笑いたくないのに
合わせて笑って
逃げ出したいのに
それでも笑って
上手にできた
つもりだけど
ちくちくと
繕った笑顔を
誉めてくれる人は
いなかった
詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
わかっちゃいるけど
明日を望めない
今宵が続いてほしいと
願う夜
全然わかってないよなあ
自分は
こんなにも不幸だと
自分は
こんなにも孤独なんだと
感じて痛かった夜も
他人の幸せを願えるか
誰かの隣に居られるか
又は
ひとり静かに笑えるか
自分自分にならずにね
言葉にする前に
意味を考える前に
必然か運命かなんて
そっちのけで
アイツと一緒に笑えるか
あの子を想って眠れるか
又は
ひとり静かに旅立てるか
人が人を信じる
簡単じゃないけど
困難かもしれないけど
疑ってばかりでも
信じる人が
一かゼロかで
世界が変わるって
謳ってみても
わからないなら
どうしてくれよう
また明日
詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
悪い夢には
終わりがあるけど
現実は
死ぬまで続く
それ以外は割と幸せ
活き活き生きて
命を絶てない
わたしとあなたは
人間で
わたしもあなたも
宇宙です
蛇から生えた足よりも
その説明が
蛇足に感じ
タイトルを無題に
中身は「あ」でも
十分いける気がして
アイツのことを思い出す
わたしとアイツは
何者で
わたしとアイツは
宇宙に行けるか
それ以外は割とまとも
だったらなあ
詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
久しぶりに
きみのことを
読みたくなった
イルカに乗った
兎のような
かなしい安心がほしい
今なら何を
書きますか?
ぼくはこのとおり
あの頃からあまり
どこにも
進んでいませんが
読みたいなあ
読んでほしいなあ
糸電話の受話器を
話さずに離さず
持っているだけで
繋がっている気がした夜
あの日
きみはどこを
歩いていたのか
まぶたを閉じても
見えない場所へ
いってしまって
もう
だんだん
少なくなっていく
好きな人たちは
バカを殺ったアイツは
どこかへ
けれども
ぼくはここにいる
よかったらまた
一緒に書きませんか?
久しぶりに
きみのことを
読みたくなった夜
あの日と変わらず
ここにいて
あの日のように
書いている
メリークリスマス
痛い時にはEVE
詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
緊急告知
ぼくらの絶望が
解散しました
まさかの欲が底を尽き
穢れは薄れて消え去って
偽善者から嘘が果てる
これまでの悪意が
邪な気持ちが
真っ青な本当に変わり
人類が正しい道を
歩みはじめる
平等に平均に平凡に
平穏に平坦に平日に
平成に平和に閉口し
迷わず悩まず
勘に頼らず躊躇わず
自分で決める
確信を持って
開いて閉じて
奥の奥にしまって
忘れてしまったアノ箱を
取り出したら飛び出して
飛び立っていった希望が
未来が
ひと回りも
ふた回りも大きくなって
いま目の前に現れた
それでは
わたしはこの辺で
悲しみは沈み
苦しみは乾き
癒えた傷
カサブタをはがせば
ほら
新鮮なあなたが
毒々毒々
ぱっくりと笑っているよ
詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
あなたの心に
ルビを振り
わかったような口を
地球に声を当てて
「苦しいよ」って泣いた
その時
23.4度 首を傾げたのは
あなたも地球も
わたしになぞらえて
考え得たものは
本物や真実でしょうか
自身の心を
一言一句たがわず
漏らさず掬いあげたと
したり顔
きみの背に(仮)を
疑いに手を伸ばせば
理解からは
遠くなる一方だと
懲りずにまた
ルビを振り