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高級スプーン似の部屋  〜 投稿順表示 〜


[226] ホビーショック
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

四畳半を走る青い線路
電車も四駆も僕のもの
変幻自在のブロック城

変形ロボが空を舞う
小さな兵士と怪獣と
白い戦士が三つ巴

僕の右手と左手が
四畳半の世界を回す

最新のコンピュータ
ボタンひとつで
敵をぺっしゃんこ

何度も死んで
何度もリセット
復活の呪文はとても長い

四畳半の世界では
僕はいつでも主人公
主役でヒーローだった
母親に片付けなさいと
怒られるまでは

あれからもう何年
四駆もロボも
お城も兵士も怪獣も
今の僕には何もない

最新のコンピュータで
検索しても
ヒットするのは
誰かの思い出

記憶の片隅で眠る
四畳半の世界
今の僕には回せない

おこづかいを持って
ワクワクしながら
よく行っていた
二軒のホビーショップ
久々に
お店の前を通ったら
二軒とも
跡形もなく消えていた

これが現実
いつかは失う
何もかも

それでも

新しく
積み上げるのは
これからも
僕の右手と左手で

くるりくるりと
世界を回す

2010/05/19 (Wed)

[227] 叫雄叫
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

化けの皮以上に
水面下
根っこの部分は醜いよ

雑草のような欲
抜いても次から次へと
自分が助かることばかり
考えている

夢の中に現れる俺は
やりたい放題で
目が覚めるといつも
俺がヤったんじゃない
って
否定する

心の奥の奥
根本的な部分
いつになったら
変わるのか

けれど
どうしよう

醜い部分
根絶やしにしたら
俺は残らず
死んでしまう気が

積もる塵
どんよりと曇る気持ち
淀んで澱んで
誇張する自我

答えてほしい
質問ばかり飛ばして
びくびくしながら
様子を伺う俺には
聞こえない

他人のSOSは聞こえない

2010/05/20 (Thu)

[228] 
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

扇風機に向かって
「あ〜」って言ったら
問答無用で濁点ついたり
道路にある白線の上だけ
歩いて家まで帰ろうとして
途中で飽きてやめたり

意味はない
今日も昨日も
明日明後日も
人生すべて
存在していることすら
意味はない
意味はないけど
否定できない
この気持ち
プライスレス
という名の無価値
誰もこの腕
買ってくれません
つまらないけど
面白くて
やっぱり笑えない
意味がない

無価値な
腕にとまった蚊を殺したり
十万頭の牛を殺したり
人をひとり殺したり

意味があれば
許されるのか
意味がなくても
許されないのか
議論をしても答は十色
明確には気分次第

特に意味はない
って言っても
意味があるあるって
八月蚊いよ
そっくりそのまま
返されて
ハイ終わらない
朝までナマ喧嘩

金星の土地を買って
嬉しくなる人の
気持ちがわかるまでは
お口チャック

その後の彼は
とても無口で
遺書には
点が三つだけ
書かれていたんだってさ

へぇ〜

って
ならないよねぇ〜

ねぇ〜

あ゛〜

2010/05/21 (Fri)

[229] 響かない緑
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砂のない砂漠
もちろん緑はなくて
歩けば君に当たる
周囲を見渡すと
辺り一面 君ばかり
どこを歩いても
君に当たる
君は
自分のことばかり
考えている

心は青かった
産まれた時は誰だって

なのに
白が消えて
赤が消えて
青が消えて
緑も消えた

月のない
草木の生えない
虫すら鳴かない
救いの手 届かない
色つやのない暗闇で
呼吸をしている
吸っても吐いても
どこにも行けない
歩けば君に躓いて

自分に当たっては
傷ついて
君は君を見る
そして
すぐに顔を伏せる

目の前にあるのは
誰かとの繋がり
手を伸ばせば
届くかもしれない
紙飛行機のような
一方通行の

世界一面に
びっしりと描かれたのは
君・君・君

赤もない
青もない
月もない
虫もいない
君以外
誰もいない
緑のない 景色

いつからだろう
君の中に
君しかいなくなったのは

月のない月面
もちろん光はなくて
歩けば君に当たる
見渡す限り
君しかいない宇宙

不自然な自然の中で
望みが絶えた気分になり
うなだれた
君の目に映るのは
目の前にあるのは

あらゆる摂理に逆らって
君に向かって垂れる手は
蜘蛛の糸のよう
とてもか細くて

思わず伸ばした
その手が掴むのは

心に触れて

芽吹くのは

2010/05/21 (Fri)

[230] 
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

輪になって
時間が経って
ひとり
ふたりと欠けていく

新しい人が増えて
誰かが戻ってきて

輪になって
時間が経って
ひとり
ふたりと欠けていく

新しい人が増えて
誰かが戻ってきて

輪になって
時間が経って
ひとり
ふたりと欠けていく

新しい人が増えて
誰かが戻ってきて

輪になって
時間が経って
ひとり
ふたりと欠けていく

新しい人が増えて
誰かが戻ってきて

輪になって
時間が経って
ひとり
ふたりと欠けていく

新しい人が増えて
誰かが戻ってきて

始まりがあって
輪がうまれ
いつか終わって
輪が消えて

もしそうなったら

あの時
あの場所で
輪になってたって
誰かに
話すことはないような

でも
ふとした時に
思い出すような

輪の中に
あなたがいたことを

特に意味はなく
内容もないような

2010/05/27 (Thu)

[231] いつかの話
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であえば○
まじわれば×
まよって△
なんだかんだで
やっぱり□

過去に会ったあなた
未来には居なかった
それは寂しいものなのか
今も
昔も
これからもずっと
そんな関係もいいけどさ

歩けば
出会いがあって
歩けば
別れる時もある

わたしは死ぬし
あなたも死ぬし
あなたは死んだし
わたしも死んだ?

何かの拍子に死んだ時
それでも
残ってるかもしれない
わたし

死んでるわたしに
新たな出会い
まだ見ぬ
あなたの挨拶に
地獄から
舞い戻る力くらい
残しておきたいもんだ

だから寝る
だけど眠れないぜ
力が抜けていく

ほわほわ

2010/05/27 (Thu)

[232] 指来す
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親指
小指
人刺し指
クスリが欲しいのかい?
中指を立てて拒否

いちにぃさんしーご
右手の指と左手の指
両方足しても
足らない今日も
無気力な人の数

ふと思ったけど
指←ってなんか
変な感じがする

指指指
指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指指
指指指指指指指指指指猪

何も
やる気が起きないのに
殺る気を出せって
言われても
人気のない路地裏から
人気のあるアイドルに

0になあれ
0になある

煙突とアヒルの大行進
産、死がなくて
マッハGO!

親指
小指
人差し指
薬指
中指お大事に

いちにぃさんしーご
右手の指と左手の指
両方足しても
足らない明日も
無気力な人の数

天気になあれ
お尻にあなる

猪突盲信
また明日

2010/06/03 (Thu)

[233] エンタメ
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道端に
きみの首は転がってない
あっても
猫かゴキブリくらいで

痴漢とひったくりに
気をつけて
ナイフをくわえて
走る鬼には
気を配らない
財布を忘れて
困るくらいで

手ぶらぶらぶら
千鳥足
根拠なく平和を確信

オートロックひとつで
安眠できる
大丈夫
枕くらいの高さから
足を踏み外しても
死なないって

本気で言ってんの?

でも
人はいつか死ぬから

必ず死ぬから

安心して
生きていいよ

もっともっと
肩の力を抜いて
へそも魂も
取られちゃいな

鬼はそこまで迫ってる

だから
震えずに眠れ

楽を得んため
恐怖を捨てて

すやすや
すやすや

すやすや眠れ

2010/06/09 (Wed)

[234] 駄作
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書けないのに
書きたいのに
書けない時に

動かない頭を
両手で揺らして
耳の穴から
ネジが落ちた
鼻の穴から
抜けたアイデア
とは呼べぬ糞を
殴り書く

眼の前を汚す
だけ
だと気付き
一発お掃除
しても消えない消
えない消えない
無垢な景色に戻
らない
真っ白世界に
うっすらと残る
爪の垢

それが私の駄作です

2010/06/11 (Fri)

[235] 残響と帰還
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開いたドアの先には
誰もいなくて
けれど
どこからか聞こえる
「ただいま」の声

開いたドアの先には
誰もいなくて
けれど
どこからか聞こえる
「おかえり」の声

本当は
はじめから
ドアは開いていて

それは嘘で
はじめから
ドアなんて無くて

誰も帰ってこない
誰も待っていない

けれど
どこからか聞こえる

「ただいま」

「おかえり」

空耳かもしれない
けれど

聞こえる
声なき声

おうちに帰る

2010/06/13 (Sun)
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