詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
あなたが落としたのは
まともな脳ですか
それとも
それも
大事なわたしの
一部なんですが
もぎ取る林檎は
甘い甘い
とても甘くて美しく
ナニモノニモ縛られず
齧られしゃくしゃく
奥の奥
芯の髄までしゃぶられて
ひとつ残らず
記憶に残る
ハズだったのに
ぼくの頭を握らないで
土足で裡に踏み込んで
アレがアレでダメだとか
アレをアレして
アレしなきゃとか
囚われの
インスピレーション
意味もわからず
NOとも言えず
抵抗する暇もなく
あなたたちは
奪い去っていく
この気持ち
なんと
表現すればいいのか
いちいち
お前に訊かなくちゃ
いけないだとか
ぼくの頭を潰さないで
それも
大事なわたしの
一部なんですが
聞く耳はなく
殺されていく
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浮かび上がる白い骨
ミイラ化しそうな
君の枕元に立って
踊り狂うように鎮座する
誰
迷惑なのわかってないの
彼女はそれでも彼が好き
何もしない彼は嫌い
だから離れられないの
現状維持ではや幾星霜
動け動けと催促しても
小さな脳に届かぬ痛み
殺されるのはいつも君
さよなら出来ずに
風化する
あなたを形成していた
何もかも
跡形もなく消えていく
最後の最後まで
残るのは
何もできない彼ひとり
その涙に笑顔に価値はない
無いハズなのに
私には
なくてはならない
者だとか
死んでも治りそうにない
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顰める繭
(蚕)われたセカイから
羽っ化り外に出た奴ら
二度と孵ってきやしない
トびたくないけど
あの頃には戻れない
未完成の完全変態
じたばたしても
じっと待っても
片脚突っ込んで
黄泉に逢いに逝くんだ
いつかは終わる
はじまりの過程
溜めに貯めた経験を
排出しては
ぶら下がる
それでも落ちる
いつかは
生身を捨てて
翅を伸ばす
薄情な奴らには
成りたくないな
一生を終えても
このままで
尻尾をくわえて
いつまでも
繰り返し
永久に
閉じ籠っていられたら
いいのにな
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女子供構わず殺す
苦痛を与えて
激しく犯して
殺す 殺す 殺す
少年の過去が
どんなもので
少年の^^Vが
どのようなものなら
彼を許してしまうのか
性なる
ホワイトクリスマス
手を繋ぐカップルの
手首を斬って
持ち帰ろうか
だって
ムカついたんだもん
殺せばいいよ
死刑にしろよ
お前ら全員
怨んで呪って
殺してやるから
殺伐とした風景
雪が赤く染まり
心は明るく晴れやかに
わたしはとても
元気です
だから真夜中
殺戮開死
楽しそうに笑ってる奴ら
全員死ねばいいのに
自殺しないなら
わたしの手で全員全部
殺してやるから
覚悟しろ
気分が悪い?
もっともっと
嫌な顔 してよ?
アハハハハ
最低の苦しみをうみます
最高のメリークリスマス
マッチ一本
火事のもと
見えない見えない
何も見えない
罪の唄
無音で過ぎる足早に
プレゼントは終わり
眠り落ち
夢から覚めれば
なんでもない
腐乱死体
ハエたかる
少年の未来を笑ってよ
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赤い服を着ていない
そもそも服を着ていない
泥だらけのパンツ一丁
なのに大きく口開けて
歯を見せ笑って
あなたは言った
メリークリスマス!
一日遅れてきたサンタ
真っ赤なお鼻の
トナカイを連れて
は
いないけど
その手にある箱は
真っ赤なリボンで
結ばれて
は
いないけど
両手で持つ箱は
綺麗な紙で包まれて
は
いないけど
ミカンのイラスト
雪に濡れた
ふにゃふにゃ段ボール
中にいたのは一匹の
ちょっと汚れた
黒猫で
おんなじように
泥だらけ
歯を見せ笑って
あなたは言った
メリークリスマス!
最高にハッピー
そんな気分じゃないね
昨日もおとといも
最高のプレゼント
そんなものは
欲しくないよ
というのは
嘘だけど
あなたと黒猫
それから僕も
みんな泥だらけ
顔を見合わせ
笑って言った
ハッピー
メリークリスマス!
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大好きなあの娘が
下痢になる
今日の彼女は
いつもよりスマート
お腹まわり
凹んでキュッと
溜まったガス
下界に一気に送り出し
すかっと一息
笑顔もイイネ!
おれの存在は
クソだって罵倒されても
排泄物には
なりたくないな
あなたとずっと
一緒にいたい
そう想われる存在に
なりたい
だから
あの娘に会えない
何故なら外に
出たくない
放り出されたらもう一生
あの娘に逢えない
そんな気がして
出られない
青くない春
黄土色
おれの存在は
クソだって証明されたら
排泄物に
なるしかないな
便秘気味のきみ
腰の痛みに
肌荒れに
関係しているんなら
悲しいけれど
出るしかないな
これ以上
迷惑かけられん
大好きなあの娘が
下痢になる
それで少しは
解消するんなら
おれは
あの娘が
笑顔になるんなら
おれは
クソでも構わない
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この作品は
誰が書いたのか
感想は
特にないけれど
作風に
特徴的な
部分はなく
誰にでも書けそうな
誰かの書いた作品は
良くも
悪くも
普通の作品で
目立つところもなく
惹かれることもなく
非常に
ありきたりな
よくあるタイプの
何でもない作品で
いつか
どこかで
見たことがあるような
けれど
いつ
どこで見たのか
さっぱり思い出せない
そんな作品
誰が書いたのか
わからない
けれど
確かに
記されている
ありきたりでも
普通でも
特別な何か
抱かなくても
記されているそれは
作品であり
それを書いた
誰かが
いつかの
どこかに存在している
その作品は
誰が書いたのか
感想は
特に
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かわいいから
めでたいとおもう
かわいいから
おかしたいとおもう
はれているから
がんばろうとおもう
はれているから
しにたいとおもう
こころからの
そして
こころにない
それは
それが
わたしであって
わたしではないもの
うしなえば
わたしは
わたしで
なくなって
うしなえば
わたしは
わたしを
てにいれたような
それを
かんがえて
あなたに
よませる
わたしは
わたしであって
あなたであって
だれかであって
だれでもない
なにものでもない
わたしは
ここにはもう
いない
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帰り道
「にゃあ」と鳴いて
ぼくの後ろを
ついてきたって
話をしたら
きみは怖がりながら
正体不明のオヤジが
物陰から現れるところを
想像し
それを聞いて
そのオヤジは小柄で
背中を常に丸めていて
結構
俊敏な動きをしそうだな
と ぼくは思ったが
口には出さずに
彼女の答を
否定するだけに止めた
つまり
正確には伝わらなかった
犬と書けば
「ねこ」とルビを振り
鳥と書けば
「からす」と間違えるなら
問題はどこにあるのか
前頭葉を指差して
ぼくが「こころ」と
読んだって
きみは左胸に手を当てて
「あたま」ン中
ハートマークを
思い浮かべるなら
調和のとれない正解に
どれだけ
頭を悩ませようが
心を痛めようが
気持ちは理解できないが
それでも
どこか悲しいと
ひとり 無表情に
笑ったりはできる
不思議と
それほど
不思議でもないか
あるいは
他の誰かには
そこに在ることに
耐えられないような
存在かもしれないが
ぼくや
きみは
そこまで
「おもい」を巡らさない