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高級スプーン似の部屋  〜 投稿順表示 〜


[347] わたし二度
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病気になって
年を取り
周りの目に映る
わたしは
あの頃とは違うひとに

自分でも
それがよくわかる
だから
誰の目にも
映らない場所へ
閉じ籠った

このままではいけない
けど
このままでいたい
でも
このままじゃダメなんだ
けど
やっぱりを繰り返し
過ぎていく

動けない
わたしの中で
どんどん
どんどん
膨らんでいくそれは

変わらない光を放つ
心の内側にある想い

停滞してたって
それでも
成長するんだね

左胸から溢れるように
輝く想い
あの頃よりも美しく

だから
わたしは立ち上がる

この場所から
もう一度

始めるよ

2011/07/20 (Wed)

[348] イバッグロナア
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    は足の本二
    む進へ日明

   かぶ転で処何
  へ所場ぬらかわ

  くすやしを我怪
    いすやれ汚

  ばれめ覚らか夢
   に去過は来未

   もてみでん望
   ぬれ戻はに元

  らかるあが化変
      い白面

   も々日るえ笑
    ばて経月歳

     かしつい
 るれば呼と頃のあ
    議思不訶摩

    とへ朝る来
  るげ告り振を手

    らなうよさ
  じ閉を幕にか静

   に夜る去ぎ過
     涙るれ流

     にから滑
     う伝を頬

2011/07/23 (Sat)

[349] デジタルスプーン
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スプーンAは
朝起きて
誰かに会うまでの間の
キャラなんです

スプーンBは
きみが起きて
眠るまで
きみの話を
聞いています
面倒になって
テキトーに相づち
打っちゃうと
大抵怒られます

スプーンCは
職場にいる間
他のみんなと一緒に
笑い合ったり
怒ったり
怒られたりしています
本心と建前の間で
揺れ動いて忙しそうです

スプーンDは
友達と会って
遊ぶことに夢中です
カラオケに行きます
買い物に行きます
スポーツを楽しみます
居酒屋で楽しみます
時々ケンカもします
でも仲直りします
それほど仲良くない場合
はやく時間過ぎろって
念じたりもしてますね

スプーンEは
トイレに入って
出るまでのキャラクター

スプーンFは
風呂に入って
出るまでのキャラクター

スプーンGは
行き道に

スプーンHは
帰り道に
それぞれ出没しては
何か考えている模様
緊急事態には弱そうです

スプーンIは
きみが寝てから
布団に入るまで
ひとりを満喫しています
そして
誰にも見せない
スプーンJを
表に出したり
引っ込めたり
何がしたいんでしょう
何もしたくない時も
あるそうですよ
聞いてない?

スプーンKは
布団に入ってから
眠るまでのわたしです
色々考えて
中々寝れないんです
困ったものです

スプーンA〜Kの他に
スプーンL〜Zがいます
実は他にも沢山います
どうでもいいですね

一人で何役
自分を演じれば
わたしはわたしを
モノに出来るのか

つーか
友達も恋人もいねェだろ
仕事も未来もねェんだろ
これからの人生
孤独に生きて死ぬんだろ
死んだように生きている
お前は俺だよと
スプーンA〜Zでも
それ以外の
どのスプーンでもない
誰かが言った
誰が言った
フォークか
ナイフか
それはスプーン以外の
誰でもない誰かか

お前はスプーンじゃない
違う本当はそうじゃない
誰かが言った
それはスプーン以外の
何者でもない誰か
実はわたしですと
白状したのはスプーンX

スプーンYは
ぽかーんと口開けて

これで終わりだよと
スプーンZが諦めました

2011/07/26 (Tue)

[350] あなたがいてよかった
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言葉にして
伝えないで

何も言わずに
そばにいて

黙って
私の話を聞いててよ

役に立たない
無力な人間なんだとか
自分を責めないで

話を聞いてくれるだけで
いいの

それだけで
救われないけど安らぐよ

わがままばかり言って
ごめんね

いつもいつも
ありがとう

私の話
また聞いてね


いつまで
一緒にいられるか
わからないけれど

2011/07/27 (Wed)

[351] すべてを閉じますか?
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親のセックスを
目の当たりにするのは
それほど
気持ちの悪いことなのか

うまれたことを想起する

便意を催すように
書き散らかした
感情の散財よりかはいいよ

キめられた直感で
描いた個性は
奇抜な季節の風物し
極上の天才だ
客観的に直視しなければ

日陰でゆらめく炎は
自然にだって
吹き消される

それだけの命だから
計りに掛けても
微動だにしない

幾千分の数少ない知り合い
度重なるわたし
降り積もるぼく
引っ張られる個
たったひとつの

すべてを閉じよう

2011/08/01 (Mon)

[352] この部屋で、彼を見続けはや十年
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十年前の一年目。


深く深く、昏い海の底へと打ち上げられた彼の意識は、白紙の部屋に不時着した。

額縁があれば、そこに絵を飾りたくなるのが本能か。

彼は考えるよりも先に筆を持ち、思いを注いで書きはじめた。

白紙の部屋で、己と対話をするかのように。

すらすらとはいかない。

けれど、確かな第一歩。





<P***1*Y***S:number=01>

2011/08/04 (Thu)

[353] この部屋で、彼を見続けはや十年
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九年前の二年目。


彼は身を粉にして心力を注ぎ、自らの命を削って魂を吹き込んでいく。

離れた場所からそれを言葉にするのは、とても簡単なことだ。

誰にでも書ける。

けれど、懸けるものがなければ、芽吹きもしない。

無精卵は夢を見ないから。

白紙の部屋の骨組みが見えなくなるまで、彼は集中力を高めていく。

頭を抱えながら激痛に堪え忍び、苦しみ抜いた先に煌めく一瞬を。

逃すものかと、彼は飛び出した。

研ぎ澄ませた直感で、閃きを掴め。

白紙の部屋に上がる産声。

意識の外に現れた。


ちいさないのち。


彼は顔を綻ばせながら、自身の頬に伝う涙に目もくれずにその手を伸ばした。

小さな命を胸に抱いて、心から想う。

ありがとう。

生まれてくれて。





<POET10YEARS:number=02>

2011/08/05 (Fri)

[354] 1992*44444111
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「趣味は人間観察です」

言ってるわりには
自分すら見えていない

他人の足下ちらちら
値踏みをしては
呟き捌くよチラシの裏に

使い古された語彙で
「あいしてる」から
「ありがとう」に向けて
尋ねるアンカー
疑問系で読み手に委ねる
真実味に欠けたウタ
夢中になれずに非難した

斜め45°に構え
部屋の隅をつつくように
書いた私のウタも
読んでよねえねえ
後ろ向きに中指を立てた

わかりやすい
マイノリティは
増加の一途を辿り
オンリーワンにゃ程遠い
巷じゃありふれた存在さ

それでも中毒になる
毛の生えた脛をかじる
お前の続きが読みたいよ

だから今日も呟く
惚けた顔をして

「趣味は人間観察です」

アイツはここにいるよ

目の前のこちら側から
向こう側の目の前へ
へりくだって言う

ご成長有難う御座いました




POET10YEARS

2011/08/15 (Mon)

[355] ドキドキの王様
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恋する気持ちを失って
愛するアナタを手に入れた

力強く握る拳を
確認がてら紐解けば
てのひらには もない
不安になって
顔を上げると
そこには
丸裸のアナタがいて
惜しげもなく笑ってた

気持ち良いなら
バカでもいいさ

胸の高鳴りを伝えたい
手繰り寄せて
抱きしめた

手と手を取り合い
愛し愛

互いを知り合い
仲違い
仲直りして
また愛を知る

まだ恋だってしたいんだ

どれだけ
アナタと経験しても
カラダを重ねても
信頼関係築いても
傷ついて
それでも
好きだと叫んでも
まだ足りない
まだしたい

恋がしたい
愛したい

アナタに会いたい
キスしたい

抱きしめ抱きたい
最後まで

一緒にいたい

恋する気持ちも
愛するアナタも
心のままに
どこまでもどこまでも

したい

2011/08/17 (Wed)

[356] カラスの色は何色か
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かかったままのエンジン
公園の脇に停車して
微睡む
砂の上
転がる玉は赤に白

身を置く場所に
困ることはないのか

羽を休める姿も
抜け目なく
背中は広く
人工自然の境目に
爪痕残し
飛び立つ姿に恐怖する

だからわからない

けれども
深い深い暗がり
逃げずに目を凝らせば
くるくる狂い
焦点の合わない脳
至る道は同じと
知ったが最期

寝首は裂かれた袋の中に

左胸の警鐘を聞け
大切にしていないそれ
落としたくなければ
目を合わせるな
覗き込まれても
明後日からは離れるな

コズミックな落とし穴

ぺちょりと
背中に付着する
わらい声
振り向くな

急げ

2011/08/26 (Fri)
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