詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
過去が消えない限り
傷痕は息衝いている
それでも寂しいが
絡み付く煙のように
触れられないのに
こころの裡を
掻き乱してくる
悪意など
欠片もないんだろうな
けれども
寂しいものは寂しい
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髪にかける手は
とても白く
現れた細い首は
ひ弱な僕でも
力を込めれば
命を断てそうなくらい
気持ち悪い容姿の彼に
片思いされた彼女は
そっと毒を吐き
微かに声を震わせて言う
一緒に帰ろうよ
頷けば
きみは笑うだろう
ありがとうと
なのにどうして
嫌だとか
ぼくは笑ったんだろう
あと少し
もう少しで
夢を掴む
首を絞める
チャンスだって
あったかも
しれないのになのに
髪にかける手は
とても白く
現れた細い首は
ひ弱な僕でも
力を込めれば
命を断てそうなくらい
二人の距離が
離れていくほど
彼女の安全は確かなものに
だったらいいけど
夜は危うい
次の日も
きみが笑う
絶対はないのに
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ブ厚い薄皮一枚を
引き剥がしただけで
直視できなくなるのなら
これ以上
自分を探さない方がいい
グロテスクな
内臓を掻き分けて
抉り出した心は
肉塊よりも
もっと醜いから
世紀末を終えて
はや十数年
記念日をいくつ重ね
今日を終えようと
新しいニュースが
手を伸ばし
視面で躍るだけ
頭の中を
映像化するのは
頭の中でだけにしろ
共感
それから伝言ゲーム
自覚もなく改竄
神様は創造はできても
破壊を止められはしない
かすかに触れる腺
いきることわりと
もしもしハロー
おなにいポエム
意味もなく嘲笑されて
詠みかけの詩
乱暴に拭いて
夜が明けるまでに
廃棄
拾って見るのは
マニアの変態だけ
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ミーティング中に
いきなり発狂する後輩
狐憑きかな
狐につままれ顔の上司
天気雨が頬に当たり
白昼夢から飛び起きる
まさかね
夢に生きる人よりも
絶望の淵に立つ
瞳の死んだ魚の方が
嘘みたいな事実を起こす
明るい未来を語れず
リアリストからも
白い目で見られ
ただ生きているだけで
笑われる
つまらない人間に
バリアフリーは皆無
助ける必要がないからね
あーあ
みんなと仲良く
出来たらなあ
あーあ
みんなと一緒の
感覚を持てたらなあ
きっと
人としての価値も
違っていたんだろうなあ
飛び降りたい
ここから今すぐ
今すぐここから
飛び降りたら
勇気を出して
差し伸べた手はまだ
宙ぶらりん
あの時
こっちを見た
きみの顔が
一生忘れられなくて
どれだけ中傷を受けても
空中に一歩
足を踏み出せないでいる
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女の友情は甘い汚物
出来立ての
スイーツでおもてなし
深く付き合えば必死
連絡が途絶えて即死
美しい思い出から
忌まわしい過去に
友達だと思っていたのは
ひとりだけ
いい人に
巡り会わない奇跡もある
だから
信じてしまうんだ
今度は本物だって
うっとり恍惚
ねっとり分泌
しっとり甘美な関係は
男ひとつで壊れてしまう
友達だと思っていたのに
また騙されて
一方的にサヨウナラ
百人も要らない
親友ひとり
欲しい
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小説よりも
詩を書くのは簡単で
詩を書くよりも
短歌を詠む方が
それよりも俳句をと
数を減らしていけば
より
易しくなるのだろうか
シンプルに生きれば
幸せが
容易に手に入るとしても
そう
うまくはいかない
重い頭を抱えるばかり
両手が塞がっているから
明るい未来に繋げるため
必要になる荷物が
何一つ持てないし
ああ 苦しい
ない知恵を振り絞って
解決できるほど
単純じゃないよな
冗談でも虚構でもない
冒頭の
小説よりも
詩を書く云々
みたいな考えは
間違いだと気付く
いや
気付いたのか?
はっきりしない奴だな
まったく
呆れて
ものを言うしか出来ない
それでも
正解からは目を背け
血走らせながら探して
生きるしか
頑なに
そう思い込み
余計につらいし
先は未だ暗い
無意味に遠回りを重ね
深刻そうに皺を寄せる
そして
足のつく浅い泥沼の中
相変わらずの
今日を過ごした
まだ痛むのなら
そろそろ止めろよ
な?
寝言は起きる前に言え
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宇宇宇宇宇宇宇宇宇宇
宙宙宙宙宙宙宙宙宙宙
空空空空空空空空空空
空空空空空空空空空空
┏━━┓
┃けも┃ミ 井
┃のぬ┃ 〃
┗━━┛蛙
山山山山川山山山山山
山山山川川川山山山山
海海海海海海海海海海
海海海海海海海海海海
‖
自由?
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きれいはきたない
キタナイハキモチイイ
漢字を使う必要もない
刃の欠けた知性で
貪り合うなんて
とってもワイルドね
っと白く濁った
皮肉も飛び出す始末
愛する言葉を反転させて
お口
交わらせるは凹と凸
人は皆
猿の類似品だった
舌を伸ばして
舐め咥え
滑稽なウロボロス状態
象徴するのは
うすらぼけた平和か
汚れも縮れ毛も併せ呑み
羞恥心が消えた頃
ひとつになるのか
なれないのか
気持ちの良い終演の果て
綺麗に口を拭き
二足歩行に戻る二人
何も産み出さない
ただ欲求を
満たしたいだけ
馬鹿げているでしょ?
それも愛
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穢されても
怪我させられても
真っ暗にはなっても
真っ黒にはなれない中々
もみくちゃの
グラデーションは
どこからどう見ても
芸術とは無縁で
ただ汚いだけの画面だ
純粋な
ヨゴレとは呼べない
半端な濁り方
安定感がなく
とても不愉快
別に
穢れたくないし
怪我もしたくない
でも
もし万が一
不幸な目に遭ったら
白黒はつけたい
あと決着も
泥をつけるなら
点ではなく全で
この身心を
真っ黒にしてくれよ
ドスグロ程度じゃ
もの足りない
上辺から最深部まで
迷わず残さず塗り潰せ
そうすれば
悩まなくて済むし
躊躇わずに一撃
くれてやるのに