ホーム > 詩人の部屋 > 高級スプーン似の部屋 > 投稿順表示

高級スプーン似の部屋  〜 投稿順表示 〜


[499] わたしを嘘でつかまえて
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

社会に対して23.4度
斜に構える
変なところで
生真面目な彼は
物心つく前から
ピーターパンが
見えなくなるまで
傾いた姿勢を貫いたせいか
今に至っても
心の歪みが取れなくて
キャッチーな嘘を片手に
タクシーには乗らず
夜な夜な
あてもなく
闇の中を徘徊し
空いた手には
金属バットを持ち
振り回したり
ガラガラと
音を立てて
存在証明でもするかのように
歩いた先に
たまたま
母校があったので
裏門から
校庭に侵入り
お前らのせいだと
声を殺して
哭き叫んだあと
何事もなかったみたいな顔で
家路につき
シャワーを浴びて
いくら
水に流しても
汚れは落ちないと呟き
仕方がないので
眠ろうとしたら
中々
寝つけずに
結局
何も出来なかった
今日一日を
振り切ろうとしているうちに
夢の中
それは
寝覚めの良いものではなかったが
それでも
朝はやってくるし
起き抜けから
頭が割れるように痛むのもあって
私を形作る
細胞という細胞を
解散させたくなっても
おかしくはない
おかしくはないよ





「真夜中、ナイフと少年と金属バット又は中学2年生のたわ言」より

2014/01/31 (Fri)

[500] スジ裏おーまいごっど
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

もしも
愛してやまないきみが
神様だったなら
今まで神だと信じていた奴らは
ただの糞
翼を生やした天使たちは
糞にたかるハエそのもの
手をこすり合わせて何を祈る?
神よ神よと泣き拝むお前らは
ゲスい畜生どもが
泣いて喩えられるのを拒むレベルの
名状しがたい何かだよ
嗚呼
神様
きみを愛してる

きみのことを愛してる
きみの思考を愛してる
きみの肉体を愛してる
きみの汚物も魂も
きみの分泌液も何もかも
愛してやまないきみが
神様だったなら
きみを愛するこの私を
この世に創造して下さり
誠にありがとうございます
そこで
お願いがあります
地面に頭をこすりつけて
醜い私めに
祈らせて下さいまし
嗚呼
神様
脱糞しそう

神様
きみを愛してる


2014/02/08 (Sat)

[501] 遠い陽炎
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

夏の終わりに
楽しかった日々を
懐かしむような気持ち
風は止み
凪いだ心は
とても穏やかではあるけれど
静寂の中
朧げな記憶に
後ろ髪を引かれて
何も手につかなくなる

誰に別れを
告げられたわけでもないのに
寂しい
ひんやりとした木陰に
閉じ込められて
このまま一生
物悲しさに
囚われてしまいそうな

ひとり
打ち拉がれる午後
煙がゆらぐ


2014/02/21 (Fri)

[502] 題名のない唄
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

誰も使ってないのなら
好き勝手やってもいいかい

足音が聞こえてくるまでの
稀薄な自由

さっさと消さなくちゃ
アンタの記憶に残る前に

2014/02/22 (Sat)

[503] Reverside
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

不規則に並ぶ非常識が
暗黙のルールのこの街に
そびえ立つ青い巨塔

出来て間もないソイツは
清潔感で溢れ
流行りに過敏な人々が
土足で
大量に流れてくる現状
そう長くは続かないだろうが
不快には変わりない

張り子のランドマークに
群れる超高層ビル群が
後ろ暗い影を落とす先
我らがアンダーグラウンド
手を伸ばして掴めば
簡単に壊れてしまいそうなほど
狭い空
やがて訪れた夜の街には
あちこちに星が灯る

絶えない望みさえ殺せば
この街も
銀河に近付ける
だって
宇宙には感情がないから

ゴミ屑からは縁遠い
品のある青い巨塔も
裏を返せば
欲にまみれた人工物
それなら
仲良くなれそうだ
急速に風化して
誰にも
見向きされなくなっても
一層
闇は深まるばかり

底知れない
深淵に溶け込んで
感情を亡きものにすれば
宇宙そのもの
誰を殺したって
誰も知らない
ソイツは誰でもないからね

不規則に並ぶ非常識が
暗黙のルールのこの街に
そびえ立つ青い巨塔
後ろ暗い影を落とす先
我らがアンダーグラウンド

ようこそ
この世の真理の逆様へ

2014/03/07 (Fri)

[504] 夢見るジュスティーヌ
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

ここから先は
有料です
まずは
会員登録を

実に汚い大人らしい
メッセージが出現
手前でいつも
躊躇ってしまうから
次の瞬間
夢から覚める

どんな悪夢よりも
酷い現実
立ち向かう術はなく
されど
流され長々と
生きる気にもなれず
命短し
なんとやら
儚く散ります
それが美徳か

精神的な傷口に
ナイフを差し込み
ぐちゃりと開錠
嫌がるお前を
抉り出し
不特定多数の面前へ
ぶちまけてやる

単純明快
意味もなく
どうでもいい悩みを
さも重たげに
大事に大事に
抱えているところ
失礼します

ひとりで悩まず
お気軽に
ご相談下さい
自由奔放
ほのぼのライフ
明るく生きて
苦しまずに
死にたいなら

まずは
会員登録を
ここから先は
有料です

寝ても覚めても
夢を見る
些細な現実逃避
真面目に生きて
不幸を全うするために








2014/04/29 (Tue)

[505] 百年後
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

アイをうたう
ファッションポエムに
クラクラして
十年後

アイも変わらず
ドクハクジブンに
ヘキエキして
百年後

墓場に来たろう
溜息が
火の玉になって
漂うような

焼かれたあとも
嘆くのか

2014/05/05 (Mon)

[506] 馬鹿
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

いくら気に病んでも
安心できない世の中
手に余る憂鬱が
月曜日を停めた

誰が地球の裏側まで
心配しろと言った?

友だちとあの子が
楽しそうに笑ってる
こういう
ひとときの平和を
永遠に思いながら
寿命で死ねば
いいものを

人が人を殺す
一方で
人が人を生かす
一方で
人が人を犯す
一方で
僕は知らない顏をして
朝までカラオケ
愛や恋を歌う
君の声に耳を委ねる

必要の二文字が
平和を阻む
不必要の三文字が
憎しみを増やす
世界平和の四文字が
感覚を麻痺させる

実現不可能だ
されど
信じる者にのみ
幸福は訪れる

あの子の笑顔の半分は
DV彼氏が見せる
気まぐれの優しさで
あの子の笑顔の半分は
カルト宗教にハマる
母親から学んだ人の愛し方で

いやらしい手つきで
マイクを握る
彼女を見て
笑顔で悲しんで
その実
興奮している僕は
何が悲しくて
ここにいるんだ?

終了十分前のコール
席を立つ
友だちとあの子と僕の
隣の部屋は空っぽ
まるで
誰かの頭か心みたいだ

不安や罪や煩悩に苛む
月曜日よふたたび

彼女の心傷すら癒せないのに
地球の裏側のことまで気に病んで
日がな一日
憂鬱になる行為に時間を費やす誰かに
名前をつけるなら







2014/05/08 (Thu)

[507] 悔いだおれ
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

いま生きたい理由が見つからない

そうして
ネットサーフィン
溺れる自分を探すけど

「だれか助けて」

絞り出したSOSは
狂った世相に
喧噪の波に飲み込まれる

むかし掲げた目標は
跡形もなく
抗う渦中
わらにも縋る思いで
手にした未来は
見る影もなく

虚しく沈む意識

だれでもいい
ひとりはいやだ

あなたの足を掴んで
引き摺り込んでいればと
悔やむ
わたしはすでに死んでいる


2014/05/20 (Tue)

[508] ナイショの内障
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

己の欠陥を
誰にも知られず
発見できても
もう末期

心の芯まで
侵されて
手の施しようが
ありません

どれだけ
自分を偽っても
内側からは
丸見えで
そんな自分を嫌っても
核となる部分は
変えられないんだ

あなたやきみは
いくらでも
騙せるけれど
罪悪感を
これでもかと
募らせるだけ

可愛いわたしに
下せる罰など
ありません

誰彼かまわず
頭を下げて
恥ずかしげもなく
許しを乞えば
誰か
頭を撫でてくれますか?

いいわけないよね

承認されないと
わかっているから
今日も笑顔を崩さない




2014/05/28 (Wed)
556件中 (481-490) [ << 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 >> ... 56
- 詩人の部屋 -