詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
ご自由にお取り下さいと
張り紙された聖書の入ったカゴ
街中に置かれたそれには
目もくれない忙しない人々の朝
終電間際の時間
カゴの中や周囲には
空き缶や煙草の吸殻や
紙くずが散乱していた
それを横目で見て思わず
笑ってしまった
笑えなさすぎて
足早にその場をあとにした僕も
いじめの第三者みたいなものか
神は噛み殺された
頭の悪い猿たちに
信じる心のない
中でも心のないマナー違反者のゴミ屑共は
世の中に笑えないほど散らばっている
これがありふれた光景だと言うなら
「Oh my xxx!」
信じる者も救われないぜ
聖書を猿に読んでほしいなら
せめて手渡ししないとね
誰もいなけりゃ
ゴミ箱と間違ってもおかしくない
カゴの中
最初に置かれていたものでさえ
ゴミだと思って
空き缶を捨てたりする
おかしい人たちの集まる世界だ
信心深い隣人は
それでも説き続けるのか
救われない話だな
救われないからこそ
救われようとして
救いたくて
救済を叫ぶのか
祈りの先に神はいるのか
とりあえず
街のゴミでも掃除しようか
他に私にできることは
黙って土に還るくらいだ
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スポットライトは放射能
自分なりの思想を
口走らなければいいものを
自分らしい発想だけを
発信していればいいものを
妄想の誇大広告
大々的に打ち出して
星の数ほどの非難を轟々
暴々と燃え盛る罵詈雑言を前にして
飛び込む様は勇気か無謀か
少し考えれば理解ることなのに
深く考え過ぎて満身創痍
死に急ぐ姿
見てられないったらありゃしない
それでも
忙しなく戦っている姿は
格好良いから世話がない
同じ喉とは思えない
あなたの声は
この上なく素敵で困る
実生活においては別に
困ることなんてないのにね
現実逃避には
あなたの声が必要なんだとか
声を大にして言ってしまえば
それこそイカれた光の粒子
いよいよわたしもおしまいだ
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隣にきみがいるだけでいい
なんなら想うだけでもいい
原始的な営みなど無価値
ヤリたきゃヒトリでデキるもん
隣にきみがいなくてもいい
それなら悩まなくてもいい
子どもなんて要らない
家族の繋がりなど無価値
暖かい温もりに何の意味がある?
人類は私ひとりで事足りる
あなた方など必要ないさ
だったら私も必要ないか
誰も愛せないなら無価値
原始的な営みに
新たな試みを
あなたの企みに乗っかって
懸命に精を出す
そうして芽吹くものに
意味を見出せなければ無価値だとか
そんなこと
深く考えずにヤッっちゃえば?
飽和と崩壊繰り返し
過ちだったと後悔しがち
あんたなんか
うまなければよかったと殺される前に
わたしなんて
うまれなければよかったと死んでやる
セックスなんて廃れてしまえ
恋から始まり
Hの次が愛だって言うのなら
その次に来るものは何ですか
停滞後退減退衰退
新しい育みは土へと還る第一歩
進むべき未来に営みなど無価値
だったら
人類なんて滅んでしまえ
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愛するあなたに愛されないのは
愛するあなたが愛してないから
愛されたいのは私の方で
愛されてるのはあなたの方
愛されないのに愛しているよ
ずっとずっと
これからも
だなんて虫がよすぎる
忘れることはできないけれど
いつまでも
愛されてるだなんて思うなよ
バーカ
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物心つく前に張った伏線
未だに回収できずにいる
無理のない
着飾らない私を装って
あの頃から変わらない
気持ちを蔑ろにして
背伸びをしたまま今日も笑う
周りに気付かれていないか
本当は空っぽだってこと
行間には何も隠されていないよ
それなのに
探してほしそうな愁いを湛え
そっと目を伏せる
未だに回収できずにいるの
覚えているのに
悔しいくせに
本気を出すのが面倒だとか
終わっているよお前さあ
退廃的を履き違え
大人になっても
ボタンを掛け違えてしまう
笑っているのは私だけ
誰も見ていない舞台
立ち続けるのは苦しいでしょう
掛ける言葉を掛ける人のいない場所に
当たるスポットライトが眩しすぎて
希望の光が見えません
せめて真っ暗闇な森の中なら
隠された木に生い茂る秘密の一枚の葉
どんでん返しの結末を
掴めたかもしれない
って言えるくらい
まだ夢を見ているお前の目は何も見えていない
うまれたての赤子同然
よちよち歩きもできないで
ありもしない藪の中に思いを馳せる
物心つく前に張った伏線
今となってはもう
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胎児のように
あなたの懐に潜り込んで
あなたの力になりたい
これまでのこと
これからのこと
何でもいいから聞かせてよ
孤独にすすり泣くいまが
笑顔に変わるまで
あなたの一番そばにいるから
明るい子守り歌だけじゃない
誰にも言えない悲しみも
言葉にできない感情も
まとまらないまま溢しても
いいよ
思い出を懐かしむように
知らない未来を想うように
心をさすりながら笑う
あなたを一番近くで見ていたい
ほら 足で蹴ったよ
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出会った瞬間
撃ち抜かれていた
右胸からドキドキと
溢れ出すこの気持ち
きみを見るたび症状は
どんどんどんどん
酷くなっていき
まともに
息も出来ないくらいに
苦しいんだけど
今すぐきみに
ぼくの気持ちを
打ち明けられたなら
どんなに楽だろうと
またきみのことを
想ってしまえば
ドキドキドキドキと
溢れ出すこの気持ち
嗚呼
この気持ちばかりは
どんな詩人でも
明確に
ぴしゃりと
一言では表せないだろう
そんなこと言わずに
ちょっと長すぎる
この気持ちの正体を
簡潔に表現できる方
募集します
あなたの意見を
お聞かせください!
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ソシャゲに注ぎ込んだ
何か月分もの給料よりも
人生のいくらかの時間を
溶かした罪は大きいか
神も居場所もない部屋で
息絶えるように懺悔する
必死になる方向を間違え
見失った自分
探しに行くための費用
いくらかかっても本末転倒
反省も後悔も済んだなら
蛻の殻にもう一度
魂を注ぎ込めよお前
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しくじりピノッキオ
あなたは反面教師
鼻が伸びないのを
いいことに
平気な顔して嘘をつく
要は
バレなきゃいいのだ
真実はこの胸に
事実は確かに
そこに在るけれど
隠し通せば問題ないか
騙した罪悪感は
時々
苦しみを与えてくる
ただ
それが同時に
罪滅ぼしを
した気にさせる不思議
いいじゃない
苦しんでるのは
ひとりじゃないの
心地よさげな
あなたの寝顔
大丈夫
まだバレていない
嘘に嘘を重ね
偽りを分厚く
塗りたくった
わたしの笑顔
お互い様よね
へし折った鼻にキスをして
事実無根の愛を騙れば
すべて巧くいく
その筈だった