詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
太ももから先が踊ってる
水平線まで続け 波紋
上下対称の滑らかな未来
流れる青は静かに燃えて
きみの描く放物線が
向こう側まで
届きますように
弾けるピアノ
心行くまで楽しもう
曇り硝子のステップで
夜を履き潰せ
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あなたの頭のフタ開けて
豆腐に醤油でもかけて
ひとくち
ふたくち頂こう
毎晩のように見る悪夢
ひとくち
ふたくち頂こう
あなたの頭のフタ開けて
プリンにソースでもかけて
根こそぎ
ごっそり頂こう
忘たくても忘れられない
嫌なこと全部
ごっそり頂こう
銀製のスプーンで
アイスでも掬うように
あなたを
悩ませ苦しませる
あなたを泣かせる
アレやコレ
残さず全部
いただきます
おまえの頭を空洞に
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セミは七日で死ぬ
ハトは撃たれて死ぬ
ネコは家族を守って
イヌが遠くで吠えている
急に目が覚めて
思い込みだと気付かされる
羽ばたくコウモリは
月に焼かれて
闇の中へと真っ逆さま
明るい場所を探して
夜道を歩けば
靴の裏
へばりついているガ
全部まとめて
ひとつの意志なら
歯車ひとつ外れても
何ひとつ変わらない
終末に出勤する未来に
待ち受けているものは
昨日と同じ
退屈な日常か
膿を出すと
昇る太陽
おはようございます
新しい朝
人工物に見つけた脱け殻
素晴らしい世界が
終わりますように
願ったり敵わなかったり
擬かしい僕らの一日が
始まって
それでも黒いカラス
スズメが告げるのは
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朝起き、
て
トイレに
行
って顔を洗
って着替えてご飯を
食べ
て支度をして
外に出て人
と会っ
て挨拶をし
て話をして笑って
ケンカして仲直りし
てお昼を食べて
トイレに行って人と
会って
挨拶
をして
話をして怒って泣
いて挨拶
をして人と別
れて
家に帰って夜
ごはんを
食べて
トイレ
に行ってお風呂に
入って
パジ
ャマに着替えて
テレビを見て布団に
入って夢を
見て
人生をたった三文
字で表現されたら
たまった
も
んじゃないけれど何
もしなかった今
日
は三文字にす
らならなくて凹んで
朝起き
てトイレに行って顔
を洗って着替えてご
飯を食
べて支度をして
玄関で止ま
る
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自分の意思とは
無関係に立たされた
スタートライン
呼吸を整える間もなく
用意
どんっ
戸惑いながらも走るけど
計画も
努力もしていないから
ペース配分を間違えて
気付けば最後尾
ゴールする頃には
夕日も暮れていて
選手も観客も
誰も居ないんじゃないか
それでも
走る意味はあるのか
レースの途中に
歩みを止めて
その場にうずくまる
後戻りできない
けれど
今から走っても
一位にはなれない
リタイアしよう
それがいい
と
本気で思っているのか
本気で思っているから
反省できずに
後悔ばかり
もっと前から
準備しておけば
こんなことには
ならなかったのに
今さら何を
生まれる前から
走り出せたら
と
ムチャクチャなことを
言っては
寝転んで
起き上がらない
朝になるまでは
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真夜中
愛するキミに
愛されたくて
キミを傷つけた
キミは笑って
ココロで泣いた
ボクも隠れて
ヒトリで泣いた
ワガママなボクは
キミが大好きで
優しいキミは
ボクを好きなの?
不安で夜も眠れない
朝方に寝て
夕方起きた
スヤスヤ眠る
キミの寝顔は
とてもステキで
ナミダが止まらないよ
大好きだ
愛してる
キミが好きだよ
ココロから愛してる
夕暮れ時
ヒトリのボクは
空に向かって
キミの名前を叫ぶ
ココロの中でキミの名を
いつまでも
いつまでも
キミを愛してる
たとえ
キミがボクの前から
突然
姿を消してしまっても
キミを忘れないよ
ボクのココロの中で
キミは永遠に
生き続けるだろう
ゴメンね
だけど愛してる
キミが好きなんだ
キミを愛してる
ボクはキミが好きなんだ
もう
キミを傷付けない
キミを離さない
キミだけを見つめて
キミにキスをする
キミを愛してる
ボクはココロから
キミのことが点点点
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相手に求めてばっかりで
神様に祈ってばっかりで
御託を並べてばっかりで
指先ひとつ動かさない
頭はひとつも動かない
くるくるくるく
うまく巻けない
ソフトクリーム
くるくるくるく
うまく巻けない
デジタルパーマ
くるくるくるく
うまく負けない
遠吠えのドッグ
時代のせいにするな
誰かのせいにするな
気持ち悪いからって
横になり牛になるな
外には出ない
家から出ない
カセットテープを
聴いていた
あの頃と何も
変わってない
抜けない学生気分
抜ける髪の毛随分
抜ける大事な自分
いつか消える多分
くるくるくるく
くるくるくるく
くるくるくるく
昨日のあやまち
一本足で
なぞるように踊っては
回ってるくるく
るくるくるくる
くるくるくるく
誰の声も聴こえてこない
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鳥肌も眠る午前四時
七月の公園は
部屋の中よりも眩しくて
目を開けていられない
小綺麗な空気と
汚れたおじさん
薄味の空に
雲がぽつぽつ歩いてる
鳴かない雀
ゲートボールはまだか
流れる車の群れと煙
洩れる光は向こう側
朝になるまで
消えない景色
そろそろ寝ようか
起きようか
それにしても
あれにしても
これにしても
してもしても
もしててしも
もしてしもし
もしもしもし
もしもししし
ももももももももも
お腹が空いた
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ありふれた日常に
きみを好きになる
ありふれた感情で
ぼくは好きになる
難しい言葉は要らない
比喩なんて使わない
きみが好きだよ
愛してる
直球のラブソング
心に届いて治るなら
真面目にまともに
生きてけるのに
その脚じゃ無理だよ
お医者さんは諦めている
夜
窓から
病室を抜け出して
自転車置き場へ
骨と皮だけの脚
ペダルを踏んで
クスリを飲んで
出発だ
逢いたくて
会えなくて
死にたくて
嘘をついて
泣いていて
頭を横切る黒い先生は
不幸と絶望を投与する
トんでいけ
ポップで
キャッチーな坂を
転げ落ち
はじまるよ
本当のサイクリング
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嫌味を込めて
「ありがとう」
わあ
この服
前から欲しかったんだあ
「ありがとう」
棒読みの真意
アナタには伝わるか
百年後の誰かとの
受け取り方の違いは?
感謝を込めて
「死ねばいいのに」
わあ
この服
前から欲しかったんだあ
「死ねばいいのに」
言われたアナタは
どう思うのか
百年後も今も
隣にいる誰かと
感覚を共にすることが
出来るだろうか?
心を言葉で
どこまで表現できるか
言葉の裏表を
相手の気持ちを
どこまで汲み取れるか
一問も間違えずに
理解することは可能か
感じ方は
人それぞれでいい
否
どうやっても
千差万別
万人が万人とも
万年経っても
同じように感じる
スタンダードな言葉は
絶対に存在しない
のか
読み手が
全問正解するには
書き手が
全問正解させなければ
誰が読んでも
同じように感じる作品
作者の想いを
完全に理解できる作品
なんて意味のない作品
か
出会ってもないから
まだ知らない
出会ったとしても
知れるかどうか
わからない
アナタは誰なの?
言葉って何なの?
「…………」
言葉は只の言葉です
それ以上でも
それ以下でもない
のかな?
抱き合っても
ひとつになっても
ひとつになれないし
言葉≠心
いつまで経っても
結ばれないもの
なの?
わからない
わからなくても
使える言葉
だから怖い
だから面白い
だから
わあ
この服
前から欲しかったんだあ
その先に続く
言葉が何であれ
アナタは何を思うのか
しか
まだ
知らない