詩人:高級スプーン似 | [投票][得票][編集] |
気付けば俺は
もう3才じゃない
小学校を卒業したのは
十年以上も昔
「若者よ、振り返るな」
そんな言葉もあるけれど
俺だって
髪や脂肪が気になるお年頃
切ないCMを見て
ついウルッときてしまう
群れるビル
曲がり角だらけ
地平線は
TVの中にも少ない
夏場の太陽は敵だ
スーツに輝く塩の結晶
頑張りがそのまま
成果に繋がればいいのに
なぜこんな結果に
まぁ俺が悪いんだけど
全力以上の疾走だ
あと少しでゴール
間際で動かなくなる
仕方なく再起動
最初からやり直し
途中で保存しとけよ
言っても もう遅い
また削る睡眠時間
夜が更けていく
俺が老けていく
失敗を重ね
歳を重ね
疲れた顔して
朝から晩まで
俺が老けていく
物思いに耽ってく
怒られても
怒りたくても
泣きたくても
泣けなくっても
本当にもう
ダメだろう
愛想笑いが
歪んできてる
おかしいな
肩が回らない
目の下のクマが
ものすごい黒い
今日こそ家に帰らせて
夜が更けていく
俺が老けていく
地球も宇宙も皆
昨日よりひとつ
歳をとっている
気付けばまた
朝になっている
無理をするなと
人に言う奴が
もっと
無理していたりして
それでも止められない
自分だからこそ
傷付けてしまうんだろ
明日に備える前に
今を必死に生きている
我武者羅無我夢中
俺が老けていく
気付けば俺は
もう3才じゃない
じゃ
やるしかないんじゃない?
じゃ
ないんじゃない?
じゃ
ないんじゃない?
じゃ
やるしかないじゃないっ!
俺が老けていく
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