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高級スプーン似の部屋


[143] 紙コップの残響。
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

カチカチカチカチカチかtけータイは、きみから切なさや距離を拭い、新たな切なさや距離を植えつけていく。
 
活字に変わり、絵文字・顔文字に変わり、色彩豊かな背景をデコレーション。
 
てのひら、ポスト、手紙を受け取り、開く便箋。
 
丸みを帯びた猫のしっぽのような文字はおくびにも出さない、なんて少し寂しく遠く感じた。
 
面影をよこせ。
 
行間から手繰り寄せて、今すぐにでも抱きしめたいよ(´;ω;`)とか打ってみる。
 
思わず削除。
 
食べたら紙より無機質で、きみとの縁も切れてしまいそうな不安定な媒体。
 
あの頃とそう変わらない程に、大きく変わってしまったんだ。
 
繋がり、束縛、孤独に空虚に喪失感。
 
ひんやりとした最先端に、なんて返そうかと温もりを与えては消してを繰り返し……。
 
離ればなれ。
 
 
二人は過ぎてゆく。

2009/01/11 (Sun)

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