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高級スプーン似の部屋


[157] 東京
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

狂い騒ぐこともなく
しずかに春は散っていく

奥ゆかしさを喪失って
てのひらに触れる曇り空

たなびく風のきまぐれに
惑わされては
通す袖
寄せては返し

戯れるきみを
邪険にあつかって
ふくれる頬を
つぶしもしない

こんな風にしか
時を奪えないなら
いっそ
ゆびもめも
根こそぎ
とりのぞいてしまえよ

降り注がれるあいに
傘をささずに
受け堪え

それすらできなくなった


細く干からびてゆく人に
肩も貸さず
いったいどこに向かうと
いうの

2009/04/24 (Fri)

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