詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
ただ単純な気持ちを
相手にストレートに
伝えるのは難しいなと
思い浮かべれば
まばたく間に
雫となりドロップす
ぴちりと開いた
ナミハナの持つ
薄っぺらな不安感を
書けない読めない
漢字に変換していく
ラッピングが始まり
綺麗に見えるよう
巧く見えるよう
ある意味
工夫を凝らしてまとめた
その様は
ダイヤモンドのような
硬い素材で
覆われたモノに
刺に毒の塗られた
いばらが張っていて
物凄く回りくどく
遠い
要するに伝わらない
その一滴の溶けた場所
大海か、小さな湖か
いずれにしても
私が忘れれば
誰も覚えていないだろ
わざわざ探す物好きも
多分、いない
その気持ちは
文学じゃないぞ
才能もないしな
人生も怠った上
勢いだけで描いたソレを
大海か何かと
勘違いしてないか?
広げる波紋を
寄せてすくい
手の平に乗る
その一滴が
一滴が、一滴が、一滴が
一滴を、一滴を、一滴を
その一滴を
素直にストレートに
伝えられたらなぁ
とは
思えないな
長時間かけて
解いたモノが
錯覚にも似た
ちっぽけな現象一つなら
それなら
伝えたい気持ちなんて
はじめからなければと
新しい雫が
顔を出しドロップす
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