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高級スプーン似の部屋


[170] 停まれのスイッチ
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

生きていても意味がない
って
うたってる君の足跡を
液晶越しに
眺めていたら
あっという間に
時間が過ぎてった
って
うたってみたって
まあ意味なんてないよね

それと同じで
明日が来ても来なくても
いてもいなくても
意味なんてなくて
それならばどうして
あなたはそんなに
必死に
うたっているんですか?

骸になって
塵になって
空気を読んで
消えていけたら

埃かぶって
燻って
空気も読めずに
ここにいるなら
意味がないのは
必然かもしれません

誰かの栄養になりたいな
そう思いながらね
死にたいな

たとえそれが
偽善でも
今の僕より
素晴らしいかも

カウントダウン
うたってる
君の横顔
その亡骸を
ネットで拾って
眺めていたら
もう

必死に生きてる誰かが
疎ましくも羨ましくて
成功してる誰かを
努力もせずに
妬みながら
生きていくのは
もう沢山だ
けど

スイッチを押す手が
震えていて
うまく押せなくて

言い訳に包まれながら
軽い悪夢にうなされて
一時間半
眠る

2009/07/24 (Fri)

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