ホーム > 詩人の部屋 > 高級スプーン似の部屋 > 汚れっちまった春のうららに

高級スプーン似の部屋


[204] 汚れっちまった春のうららに
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

いつからだろう

あれほど
恋しかったアナタを
待ち望まなくなったのは


春よ来るな


春よ来るなと
幾度唱えても
近づいてくる
君の足音

遠ざけたくて
マスクに身を包み
ひとり震える夜


まだ冬なのに


むずむず
むずむず
鼻がむずむず

じゅるじゅる
じゅるじゅる
鼻水じゅるじゅる

ずびずばずびび
鼻かみずばすび


魔の手に掴まれ
人目も憚らず
私を汚す

君にどれだけ
抵抗しようとも
止まらない濁流


しょぼしょぼ
しょぼしょぼ
目がしょぼしょぼ

やにやに
やにやに
目やにやにやに

かゆかゆ
かゆかゆ
とにかく痒い


瞳を保護せよ

薬液を垂らして
バリアを張ろうとも
意にも介さず
軽々と打ち破り
多大なるダメージを
受けて赤い目
涙を流し白旗を振る


俺が何をしたって
言うんだっ!


鼻腔からの叫びは
虚空へと飲み込まれ
追い撃ちに遭うばかり

降伏しても
攻撃の手を緩めない
容赦なしの君に


もうもうろうろう
意識朦朧

ねむねむねむねむ
副作用でうとうとと

ふらふらふらふら
安定感も失われ

ぼやぼやぼやけて
明日が見えない


過剰反応する
我が身かな


勘違いしないで
べ、別に
アンタのせいで
熱くなってるわけじゃ
ないんだから!


デビューして
二年目の
春がやってくる

新たな恋と
戦いの予感

君とは
長い付き合いになりそうで

2010/02/26 (Fri)

前頁] [高級スプーン似の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -