詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
怠惰はいつだって悲しい
主義主張理由がないと
息をするにも
苦労するのは
いつの時代の若者も
同じかもしれない
小難しい理屈を並べて
それを読ませる
行間に答があるだの
オチは読み手に任せ
ぐだぐだと文句を連ね
それを読ませる
チャックを閉めず
ベルトを垂らして歩く
だらしなさ
醜い我を露呈して
社会の隅で何を吠える
よく冷えた面だな
だが
いかにも重たそうな
暗闇に
少し触れただけで
熱くなれる
お前の青さが欲しいよ
くれてやるよ
こんなもの
あの頃の空気感に
自らを重ね
身を委ね
革命を口にする
そろそろ俺にも
大義名分をと
どうにかなるか
どうにもならぬ
頭がくらくらしてきた
当たり前の毎日に
心からの笑顔は消え
満足できないと抜かし
何もしない奴らが集まる
駆り立てられるものを
真理だと思い込み
紅くなる
輪になって朝まで論じ
毒を飲み
毒を制すと強気
それは甘いシロップ
逆に喉を痛めそうな位
甘い甘い諍い
あとを濁して散っていく
役に立たない木に止まり
よそに目を向ければ
押し寄せる悲しみ
俺は衰えて無抵抗
残るものより
残らないものを読みたい
近くにある厭世を
手にとって
それ以上先には進まない
何もしない奴ら
かの有名な〇〇の影響を
もろに受けている文体で
私たちを騙そうとする
そんな自分に酔っている
カラスの眼には映らない
横になって
もう休め
朝になって後悔しろ
そうやって
いままでやってきたんだ
これからもそうすべき
何も知らないで
えらそうに
何もしないで
そう言った
話は変わるけど
少し病んでいる
その方が
頭が冴えていいの
隣で彼女は微笑う
なんとなく続いていく
嫌々ながら進んでいく
そりゃ
うまく言葉を返せないわ
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